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カテゴリ:子どもとお金・物
おじいちゃん、おばあちゃんにとって、孫は本当に可愛いもののようだ。夫の両親も私の両親も孫たちを前にするともうメロメロだった。 子どもたちがまだ小さかった頃は、夫の実家に月に1度のペースで遊びに行っていた。おしゃべりをしたり、お菓子を食べながらテレビを見たり、おじいちゃんの家は広かったので走り回ったりしていた。 子どもたちが小学校に上がった頃だっただろうか、夫の実家のそばにおもちゃ屋さんができた。おじいちゃんは「これはいいものができた」と思ったらしい。それからは行くたびに毎回、孫たちを連れておもちゃ屋さんに出かけ、一つずつおもちゃを買ってくれた。 教育方針として、特別な時以外はおもちゃを買わないと決めていたのでこれには困ってしまった。おじいちゃんの気持ちはありがたいが、行くたびに毎回おもちゃを買ってくれるのはあまりうれしくなかった。だが孫の喜ぶ姿を見て喜ぶおじいちゃんにやめてくれと言うことができなかった。 ある日のことだ。いつものように「今日はおじいちゃんの家に行くよ」と言うと、子どもたちが「わ~い!!おもちゃだ。おもちゃだ」とはしゃぎだした。私はドキッとした。以前は「わ~い!!おじいちゃんちだ!」と喜んでいたからだ。いつの間にか「おじいちゃんの家に遊びに行く=おもちゃを買ってもらう」という図式が子どもの中でできてしまっている。 おじいちゃん・おばあちゃんの存在、おじいちゃんたちと過ごす時間を楽しんでいたはずなのに、それが「おもちゃ」にとってかわられてしまったように感じた。おじいちゃんに会うことよりも、おもちゃを買ってもらうことがメインになっている。これはこのままにしておいてはいけないと思った。 物に恵まれた人ほど物のありがたみが分からなくなる。年に1~2回、クリスマスやお誕生日にもらうから嬉しいのであって、毎回もらっているとそれが当たり前になる。そのうちもらえない日があるとなんでもらえないのかと不満になる。 以前、資産家の子ほど感謝の気持ちがない、と書いたが、おそらくそれは常に物に溢れた恵まれた生活をしているから、物のありがたみが分からなくなるのだと思う。 私の気持ちを夫に話して夫からおじいちゃんに「クリスマスとお誕生日以外はおもちゃを買わないでほしい」と話してもらった。 私たちの気持ちをどこまで理解してもらえたかは分からない。おじいちゃんの一番の楽しみを奪うことになってしまって心苦しかった。でも、私たちにとって一番大切なことは子どもをどんな子に育てたいのか、そしてそのためには何をしなければならないかということだ。たとえ親と気まずくなっても妥協できないことがある。 大人になっておじいちゃんにお小遣いをせびる孫ではなく、お給料からおじいちゃんにプレゼントを買ってくるような孫になってほしい。いつかおじいちゃんにも分かってもらえると信じている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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