子どもの頃の失敗
子どもの頃、元旦は祖父の家に子や孫が集まり、飲んだり食べたりして過ごすのが常だった。祖父夫婦を含め8世帯が集まるのでいつもとても賑やかだ。ある年の元旦、父の妹が「数の子をたくさん頂いた」と数の子料理をたくさん持ってきてくれた。私は数の子のプチプチした食感が大好き。普段食べられない贅沢品とあって、調子に乗って食べたいだけ食べてしまった。そして元旦早々お腹を壊してしまった。他の孫たちが遊んでいるのを恨めしく思って横目で見ながら、一人こたつに寝そべってぐったりしていた。そんな私を見ながら父と叔父が「人は好きなこと、得意なことで失敗するものだなあ」と話を始めた。人は好きな物を食べすぎて身体を壊す。好きなスポーツをし過ぎて身体を痛める。好きなことにのめりこみ過ぎて人間関係を壊す。「話をするのが得意だ」という人ほど話が長くなって、聞く人に嫌がられる。嫌いなこと、苦手なことで失敗するよりも、好きなこと、得意なことで失敗することの方が多いのではないか、と話していた。話のタネにされながら、「そうか・・・好きなことをする時も気をつけないといけないんだなあ」と反省したのを覚えている。数の子を食べると思い出す子どもの頃のほろ苦い思い出だ(笑)。