『身体能力を高める和の所作』
仕事として携わっている『癒し,ほぐし』。私の中では,こういう仕事は,ある人にとってスポット的に必要なものであって,いつもいつも誰かに『やってもらわないといけないものである』のは違うなぁという思いがあって。病気になったらお医者にかかるけど,予防や簡単な手当ては各家庭で取り組めるから,より健康である状態が進めば,ちょっとした風邪や腹痛などで病院にかかったり薬に頼ったりする頻度は落ちてくると思う。だけど,いつもと違う,自己診断では怖い,そんなときのために病院は在るわけで・・・。『癒し』や『ほぐし』についても,社会的なストレスや孤立化が進んでこういう癒しやリラクゼーションを求める機会が増えているからこそ,こういう仕事に携わるものとして,提供する施術の延長線上で,自身や家庭で取り組めることを日常生活に無理なく提案できたらいいなぁと思っている。-----そんなわけで自分の身体を使った実験は続くわけで・・・。経験上,“本来ならこうあるべきポーズ”,例えば,バレエのプリエとかグランバットマンとか,そういうことが“今はできないけどできる範囲で”っていうのは,レッスンのクラスで先生に見てもらいながらやるのはいいけど,自宅でひとりでやるにはなんだか面白くない。“やり応え”,“即結果”,“しかも辛くない”,この辺がポイントなんだろう。そんな探求の道筋で出会った本がこれ。安田 登 著 『身体能力を高める和の所作』大腰筋だったり体幹だったり,今声を高くして言っている事が,美しい『和の所作』の中では当たり前に使われていて,それは私の中では“月経血コントロール”にも繋がることなんだけど,使うべき筋肉を使っていると,身体は無駄がなく力が抜けて美しく機能する,ということに行き着く。身体がスポンとまっすぐに地面に乗っかっている状態,“正しく立つ”状態。坐骨を感じて,“正しく座る”状態。身体に空気が満ちるように,“深く息をする”ことの当たり前。日常生活の中の,立つ,座る,歩く,息をする。当たり前のことだからこそ,しっかりと使うべきところを使って無理なく,無駄なく,美しくできるようになりたい。そのメカニズムがきちんと書かれていて,しかも,新鮮!-----私自身,今毎日の生活が濃密だと感じるのは,立つときの重心のかけ方,息をする時の横隔膜の動き方,左手を使うときの両肩の上がり方,下がり方,関節を動かすときの可動域の広がり,そんなことに意識を向けているからですが(汗。(ついには,熱発して身体の節々が痛んだ時に,寝ながら腰のストレッチをしていたって言う笑えるような笑えないような話もあったりするんだけど),身体の柔軟性は,毎日夜な夜なストレッチしていたときより格段に上がっていると感じられます。特別なことはせず,当たり前のことから身体を変えていきたい,と思われる方にはおススメの一冊です!