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カテゴリ:栄養
先日コメント欄で質問をいただいたのですが、コメント欄は狭すぎるので、改めてこちらでお返事したいと思います。
ご質問の内容は (1)愛猫が慢性腎不全で、IBD(炎症性腸疾患)もわずらっている。 (2)白血球の値が高め。大体いつも13000を超え、最近の検査では14500だった。 (3)白血球の値が高めなのは慢性腎不全のせいかなのか、それとも腸の炎症が続いているせいなのか。 (4)獣医師は気にしなくても良いと言っている。(が心配だ)。 という事なのだと思います。 以下、私個人の意見です。 (3)については、慢性腎不全で白血球が上昇する、という事は聞いた事がありません。(だからありえない、というわけではないのですが)。白血球が高値の原因は慢性腎不全ではなく、IBD(炎症性腸疾患)によるものだと思います。 (3)白血球高値=腸の炎症が続いているのか? という点に関しては、結論から言えば分かりません。 IBD(炎症性腸疾患)は、私の知識の範囲ですと、クローン病と潰瘍性大腸炎に分けられますが、今回はどちらか分かりませんので、一応潰瘍性大腸炎だと仮定してお話を進めます。 「潰瘍性大腸炎ってなんだろう?」(2002年6月作成) という患者さん向けのパンフレットによると、 p6 重症度の分類 では (1)排便回数 (2)顕血便 (3)発熱 (4)頻脈 (5)貧血 (6)赤沈 となっています。白血球は重症度の判定項目にありません。 ということは、おそらく白血球の高値は、潰瘍性大腸炎の程度を推測出来ないのではないのかな?と思いました。 私自身は通常業務において、患者さんのデータを見るときに、白血球数の増加とCRPの上昇は「たぶん感染か炎症があるんだろうな」と疑い、次に体温を確認して、体温が高いようなら水分を増やすべきか、熱量を増やすべきか(体温が高くなると基礎代謝がアップするので必要熱量は増えるので)、タンパク質を増やすべきか、などなど悩み始めます。 お返事 (1)白血球高値は慢性腎不全によるものではないと思う。(確信は持てない) (2)白血球高値では炎症を疑うが、しかしはっきりとした事は分からない。 (3)少なくとも潰瘍性大腸炎においては白血球の増加は病状の深刻さの基準にはならないらしい。(資料が6年以上前なので最新の事は不明) (4)獣医師が気にしなくてもよい、といっており、かつ愛猫に症状(排便回数、血便、発熱など)がなければ、気にしなくてもよいのではないかと思う。 ーーーーーーーーーーーーーー ご質問はいつでもお寄せください。 ただし、お答えするのに時間がかかる事はご理解ください。ね。 初めてここを訪れる方には小難しく感じられるかもしません。でも、もしかしたらただ耳慣れないだけかもしれない、と思っていただけないでしょうか?耳慣れないことと難しい事は違うと思うのです。 腎不全で苦しむ猫さんを減らしたい。と思って続けているブログです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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