カテゴリ:中日比較文化
「西遊記」のなかに、孫悟空が、三蔵法師が皇帝から頂いたきらびやかな袈裟を、欲の強い坊さんに見せびらかしたため、その坊さんがマンとほしさに、夜、師弟が寝ている部屋に放火させ、三蔵法師師弟があやうく焼け死にしてしまいそうだった話がありますね。
わたしは、よくその話を例にして、かんかんに「何かいいものが手に入っても、お友達には見せびらかすのじゃないよ」と教育しています。人間って、見ていなければ、ほしいとも思わないでしょうけれども、見てしまうとほしくなる場合がありますからね。あまり他の子の物欲を刺激するのは、いろいろな意味でよくないと、わたしは思うのです。 しかし、今回日本へ来てみたら、いつもテレビをつけているせいか、テレビで、しょっちゅう有名な大物芸能人の豪邸を見せたり、豪快な買物ぶりを見せたりしていますね。今も「假屋崎省吾さんの華麗な生活」をやっていますが、危なくないかなと思ってしまいますね。日本は、治安がいいから、泥棒や強盗などは心配ないでしょうけれども。 中国では、そういう番組はないですね。ただでさえ、有名人のところには、経済的な援助をしてほしいというような手紙や電話がたくさん来るらしいですね。個人からのもあれば、組織からのもあるようですが、個人からのが多いでしょうね。援助しようとすると、きりがないし、まったく援助しないと、冷たい人間だという評判が立つし。有名人もけっこうつらいようです。 日本では、そういうことがまったくないのでしょうか。あるいは、日本では、経済的に困っても、それは自分の恥で、人に助けを求めるものではないと思っている方が多いのでしょうか。それはそれで、またちょっと冷たい社会だと思ってしまいますが。 中国では、福祉や保険制度が完備していないだけに、みんなで助けてあげないと、どうにもならない人たちがいます。それで、マスコミは、それを報じては、その人のために援助金を募っています。マスコミに取り上げられた人は、必ず助かっているようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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