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カテゴリ:LIVEレポ
今週は忙しかった・・というより毎晩遅くて寝不足状態。このことはまた後で記事にして書きたいと思う。今回は去る3月23日(火)、東京はお台場のZEPP東京で行われた、ボブ・ディランの来日公演のライブリポートをお届けしたい。 私は今までディランを見たことがなかった。今回が初体験となる。音源的にも超有名曲以外は知らない。ということで、今回のライブは「演奏曲を期待する」という楽しみ方はできない。では何を期待してライブに行く気になったのか。 それは、彼が伝説的ミュージシャンで、ロックの歴史を探究する上で避けては通れない人だから。彼はもう68歳で、今年の5月には69歳になるのだ。これから先、そう何度も来日することはないだろうし、やはり現役のうちに彼のライブを見ておきたいという想いがあるからだ。 ディランはなんと1988年からネヴァー・エンディング・ツアーと称し、年間100本以上のライブを休むことなくこなしている。そして今回の来日もその一環だ。生涯現役の終わることのないツアー。コレは凄いことだ。 今回のライブはおなじみストーンズ・クレイジーのMさんとご一緒。そして現地では同じライブ仲間のタカさん(from千葉)とも合流。A170番台というなかなかの早番をゲットしており、我々はステージ向かって左側の前から3人目あたりに陣取った。 今回のステージはユニークな配置になっている。普通のライブの配置は、中心に主人公のリードヴォーカル、両サイドにギターとベース、ちょっと奥まったサイドにキーボード、真ん中の後方にドラムとなる。しかし今回は、そうですね細長い直角三角形を思い浮かべてほしい。ステージと客席を遮る直線を土台とし、そこから直角に一番短い辺が向かって右側。この辺にキーボードがあって、ディランが立つ。そして一番長い斜めの辺に、右のディラン側奥から、ペダルスティール、ドラム、ベース、リードギター、リズムギターと並ぶ。つまり、ディランはステージ右側から左側に向かってバックバンドの面々を見ながら演奏し、バックバンドは全員がディランに向かって演奏しているようなイメージ。お判りになるだろうか。 バックバンドは全員が揃いのスーツを着て、リードギターはチャーリー・セクストンだ。そう、あのチャーリー・セクストン、「チャリ坊」ですよ。80年代半ばに洋楽を聴いていた人なら思い出してくれるだろう。あのイケメン・アイドル・ロッカー。ビーツソーローンリー♪、カーモーンベイベー♪と歌っていたあの人。相変わらずのイケメンで超格好いい。何故か彼を見ていて、私は花田裕之を思いだしたのだが、イケメン長身であることと、現在の一ギタリストとしての活躍という面に共通項を見いだしたのかもしれない。 しかし、チャーリーは本当に控えめなギタープレーヤーだ。私の立ち位置のせいか、音が良く聴き取れなかったこともあるのかもしれない。他のメンバーがあまり動かないかわりに、彼はアンプとエフェクターのある自分の立ち位置から離れ、ほとんど中央にいて、時にはディランの前へ行ってみたり、しゃがんで弾いてみたり…とアクティブである。 他のメンバーも実に上手い。特に目立ったのはドラマーで、いい味をだしていた。バンドとしてのまとまりも最高。完璧だった。 そして主人公のディランだが、終始キーボードを弾きながら歌う。彼のトレードマークはギターとハーモニカだが、ギター(ストラト)を弾いたのは1曲のみ。ハーモニカは数曲で披露。そうか現在のディランはギターを弾かないんだ。後で聞いたM氏からの情報によると、何年か前に大病をして以来、ディランはギターを弾かなくなったということだ。弾けないのか、弾かないのか、それは判らないが、彼はもう完全に割り切っているのだろう。 ステージセットなどという装飾は一切無く、バックはカーテンで仕切られ、両側にお香が炊かれている。演出は照明オンリーで、この照明の使い方がまた良いのだ。時にはバックのカーテンに模様を映し出し、時にはメンバーを下からのライトで当てるだけだったり、実に渋く効果的だった。 ライブ途中のMCは一切なし。ただひたすらに曲を演奏していく。最後の最後でメンバー紹介があったのみだ。その他でディランが会話をすることは一切なかった。なんか筋が通っていていいぞ! アンコールを終えて最後にステージに並ぶメンバー。客席をガン見して、一切頭を下げずにそのまま去っていく…この格好良さったら一体何なのだ! Set List 15. Like A Rolling Stone ということで、私の知っている曲は11,15,17のみ。ファンが激怒するかもしれないが、でも十分に楽しめたし、ディランの凄さを味わえた。素晴らしいライブだったと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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