嗚呼！哀愁の我が音楽人生

もう2か月近く経ってしまったのですが、久しぶりに仕事で遠方への出張があり、ついでに観光もしてきましたので、そのことを書いておきます。

行先は秋田県です。仕事は秋田市内でした。たまたま秋田県に知り合いがいまして、秋田に出張することを伝えると、ぜひ会って飲みましょうということになりました。知り合いは由利本荘市の人です。

金曜日の朝に秋田へ出発しました。往路は上越新幹線から大宮で乗り換えて、秋田新幹線で秋田に入るルートです。仕事は土曜の朝からなので、前泊です。だから金曜日は基本的に仕事がないため、調子にのって上司と秋田市内でガッツリと飲んでしまいました。いやー秋田の酒は実に美味かった…。
宿泊はビジネスホテルがどこも満室で、やっと探して予約できた激渋の和風旅館（民宿？）。でもこれがまた安いし風呂は大浴場だし、ゆっくりできて大正解でした。


あまりにガッツリ飲んでしまったので、土曜日の仕事はちょっと頭が痛かったです（反省）。しかも日中は天気が大荒れで、外仕事だったのでかなり体に堪えました。
なんとか仕事を乗り切り、上司と現地でお別れし、夕方に知り合いと合流。車で海岸線を45分くらいだったでしょうか、由利本荘市へ連れて行ってもらいました。
この日はありがたくも知り合いの自宅に泊めていただけることになっておりました。荷物を降ろしてまずは市内の日帰り温泉施設へ。長湯で冷え切った体と頭痛を癒して、夜は市内の居酒屋で極上の魚料理をこれでもかとご馳走になりました。写真が無くて全然解らないのが申し訳ないのですが、これはもう素晴らしく美味かったです。前日に飲みすぎたため、体がいまいち飲食を受け付けてくれなかったのが悔やまれます。2次会のスナックでも楽しく時を過ごし、ゆっくりと知人宅で就寝。

翌日は7時には起床しましたが、知り合いがいきなり「朝ラー行きましょう」・・・朝ラー？？
これには驚きました。朝食でラーメン屋に行くのです。
関東には無い文化です。名古屋の人が朝、喫茶店で「モーニング」なる朝食をとる文化があるのは知っていましたが、朝、ラーメン屋に行く風習は初めて聞きました。
ということで、知り合いと向かったのは由利本荘市内にあるラーメン店「清吉」。


一般的な雑然としたラーメン屋の雰囲気ではありません。落ち着いた和風な佇まい。
玄関を開けるとすぐにカウンターがあり、ここで食券を買います。メニューは普通のラーメンと肉大盛の2品だけ。中に入ると、雰囲気は蕎麦屋ですね。客層がまた、朝起きたばかりという雰囲気のお客様ばかりが静かに時を過ごしております。不思議な光景です。一人で来たおじさんから、若いカップル、子供とおじいちゃんおばあちゃんも連れ添った家族・・みんな静かに落ち着いた様子で朝のラーメンを待つ人あり、すする人あり。


しばらくして運ばれてきたラーメンは、実にさっぱりとした志那そば風しょうゆ味です。天かすが付いてきたのがおもしろいですね。知り合いから「まず最初はそのまま食べて、しばらく進んだら天かすを入れてみてください」とアドバイスを受け、そのとおりに食べてみました。
このラーメンスープ、朝の空腹の胃袋に実によく浸みます。・・美味い・・朝日を浴びながらの静かな一杯。なんて清いラーメンなんだろう。ご馳走様でした。

その後、ローソンに立ち寄りコーヒーを飲んで（なぜか由利本荘の町中にはローソンが多い）、知人宅ですこし休んだ後、観光に出かけました。知り合いが自家用車でいろいろ案内をしてくれました。何から何までお世話になりっぱなしです。

途中、秋田の路上に出没する有名な「ババヘラアイス」に遭遇！早速買って食べてみましたよ。その名のとおり、頬かむり姿のお婆さんがヘラでバラの花状に盛り付けてくれるアイスです。味はですね、非常に昭和ライク。懐かしい味がしますよ。


クルマは由利本荘からさらに日本海側を南下し、にかほ市に入りました。
にかほ市にはＴＤＫの工場がたくさんあるんですね。ＴＤＫの恩恵を多分に受けている町のようです。ＴＤＫミュージアムという施設があって、なんと無料で入館できるので、行ってみました。この施設なかなか良かったですよ。ＴＤＫという会社は、私はカセットテープのイメージしか無かったのですが、1935年に、日本で発明された磁性材料「フェライト」を世界で初めて工業化することを目指して創業された、歴史と高い功績のある会社だということがわかりました。さすが世界のＴＤＫ。来てよかったです。


その後はさらに南下して道の駅象潟。もう山形との県境に近いところまで来ました。海辺の道の駅でロケーション抜群です。私は海の無いところで育ってますから、海が見えると本当に興奮しますね。東北の雄大な日本海にしばしウットリ。




後方に目をやると鳥海山。秋田と山形の県境にそびえる活火山です。


この後、道の駅でお土産を買って、食事を済ませ、そろそろお別れの時が迫ってきました。最寄りの羽越本線、象潟駅で新潟行きの特急いなほに乗ります。帰路は在来線で新潟に行き、上越新幹線で群馬に向かうルートです。象潟駅で知り合いとはお別れです。彼とは4年前、仕事の長期研修で2週間東京に行ったときに、研修所の同室だったのです。本当に仲良くなって、それ以来、お付き合いを続けています。久しぶりに会えて本当に良かったです。お別れが寂しかった。。田舎の駅の風情がまた映画っぽくて寂しさを増幅させるなあ。駅で特急に乗って、見えなくなるまで手を振り合いました。友よさらば！また会う日まで！




特急いなほに乗ったのは初めてです。私が小さな頃は、いなほ号は上野から上越線で群馬を通り、私の住む渋川も通り過ぎて、新潟経由で秋田へ向かった長距離特急でした。今は新幹線ができたので、新潟と秋田を結ぶ主要特急として残っています。子供の頃、渋川駅にほど近い踏切へ行って沢山の電車を眺めました。いなほの通過は1日1本くらいだったので、見られたときはエキサイティングだったなあ。そんないなほ号に初乗車し、けっこう嬉しかったです。日本海を眺めながら新潟を目指します。


山形を過ぎて新潟県に入りました。遠くに粟島が見えます。粟島にも子供の頃に海水浴に行きました。村上から船に乗って渡るのです。海の水がすごくきれいだったのを覚えています。


ようやく電車は新潟に到着。ここからは上越新幹線に乗り換えです。
ホームに行くと、当初乗る予定だった列車より1本早いものがあったので、これに乗ってみました。ただし越後湯沢止まりです。せっかくの鉄道の旅なので、ただ真っ直ぐに高崎まで来てしまっては面白くない。越後湯沢で新幹線を降り、上越線に乗り換えて県境「ループで名高い清水トンネル」を越え、渋川駅に帰ろうという算段です。ちょうど越後湯沢止まりの新幹線があったので、これ幸いにと乗車。

おいおい！乗ってビックリですよ。なんじゃこの新幹線？なんと現美新幹線という企画モノだそうで、新幹線の各車両に現代美術アートが展示された美術館列車でした。
奥では着物姿のマダムが記念写真を撮っています。


車内には喫茶スペースもありました。オシャレです。奥に見えるのは子供が遊べるキッズスペース。


せっかくなのでコーヒーを買って飲んでみました。ドアの向こうに半分だけ女性が見えますが、いかにもアートやってます的な、美大生のような若い女性でした。カメラを手にたくさん展示物の写真を撮ってましたよ。


そんなこんなで、あっという間に越後湯沢駅。新幹線から県境越えの上越線に乗り換えます。
もう日も暮れて、寂しい雰囲気です。越後湯沢まで来るともう渋川も近いですし、かつて知ったるという感じで、やっと帰ってきたなあという感慨深さがありますね。秋田から離れた寂しさと家が近くなった安心感が混ぜ合わさった不思議な心持ちがします。


驚いたのは、意外に普通の格好をした人たちが（それもかなり多く）この峠越えのトンネル列車を利用して群馬に入るんだなあということ。新幹線も通っているし、わざわざ在来線に乗るお客さんなんて登山者とか観光客くらいで、全然乗っていないと思っていたので、まだまだ在来線も需要があるんだということを知りましたね。結局夜7時半くらいに渋川に到着。よい旅でした。

話は変わりますが、あさって25日（土）はバンドのライブです。熊谷市民ホール「オサムズライブ」に出演しますので、お暇な方はぜひとうぞ。open14:30/start15:00　Ticket￥500