社会全体に警鐘を鳴らします。
一月も残りわずかとなりましたが、自殺の報道が絶えません。自殺予防対策に取り組んでいる当民間団体は、この国における社会全体に警鐘を鳴らします。年間3万人という自殺者が起きており緊急事態が続いています。■自殺を考えている人は悩みを抱え込みながらもサインを発している。<自殺のサイン(自殺予防の十箇条)次のようなサインを数多く認める場合は、自殺の危険が迫っています。1.うつ病の症状に気をつけよう(気分が沈む、自分を責める、仕事の能率が落ちる、決断できない、不眠が続く)2.原因不明の身体の不調が長引く3.酒量が増す4.安全や健康が保てない5.仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う6.職場や家庭でサポートが得られない7.本人にとって価値あるもの(職、地位、家族、財産)を失う8.重症の身体の病気にかかる9.自殺を口にする10.自殺未遂におよぶこのようなサインを発している場合、当民間団体、または専門医にご相談ください。よろしくお願いいたします。以下の文は、高橋祥友著『自殺予防』(岩波新書)に記述されている「自殺報道に関するガイドライン」p62の引用です。1短期的に過剰な報道をすることを控える2自殺は複雑な原因からなる現象であるので、自殺の原因と結果を単純に説明するのを控える3自殺報道は中立的に伝える。元来自殺の危険を抱えた人が自殺者に同一化する可能性があるので、自殺をことさら美しいものとして取り扱ったり、大げさな描写をしない。嘆き悲しんでいる他の人々、葬式、追悼集会、飾られた花などの写真を添付しない。4自殺手段を詳細に報道しない。自殺の場所や手段を映像で紹介したりしない。どのような場合でどのような方法で自殺したかといった情報はできるだけ簡潔にする。5(特に青少年の自殺の場合には)実名報道を控える。6自殺の背後にはしばしば心の病が潜んでいるが、それに対して効果的な治療法があることを強調する。同じような問題を抱えながらも、適切な対応を取ることによって、自殺の危機を乗り越えた例を紹介する。7具体的な問題解決の方法を掲げておく。自殺の危険因子や直前のサインなどを解説し、どのような人に注意を払い、どのような対策を取るべきかを示す。専門の医療機関や電話相談などについてもかならず付記しておく。8日頃から地域の精神保健の専門家とマスメディアとの連携を密に取る。このようにすることで、群発自殺の危険が高まった時でも、適切な助言を時機を逸することなく得られるような体制を作っておく。9短期的・集中的な報道に終わらず、根源的な問題に対する息の長い取り組みをする。WHOはマスメディアの報道に関して次のように勧告しております。http://www.who.int/mental_health/media/en/426.pdf(WHOのマスメディア向けガイドライン:英文)http://www.ncnp-k.go.jp/ikiru-hp/manual/whoguide.pdf(平成14年度研究報告書「WHOの自殺予防の手引き」20ページ 参照・高橋祥友)また、自殺予防の電話窓口については、当民間団体専用電話0138-57-6020(10:00~22:00)をはじめ、下記をご参照ください。http://www.ncnp.go.jp/ikiru-hp/nayandeirukata.htlmこのようなプライバシーが重要視される必要のある自殺報道の在り方に対しては、引き続き厳しい姿勢で臨みます。