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カテゴリ:ふゆ-winter
大雪の合間に日帰りスキーに行って来た。 職場が団体割引で企画してくれる年に一度のバスツアー。私は今年が初めての参加。3時間ほどかかるメイン州のスキー場まで往復するので朝の集合時間は午前5時45分。バスに乗り遅れたら自力で運転していくことになる。 この日のこの時刻の外気温は-20℃。そして強風のため体感温度はどれくらいかなど考えたくもない。 バスに乗る予定の40人ほどがまだ真っ暗な5時半頃に職場の駐車場に集まった。 ハプニング1:バスがいない。あり得ない。やって来たのは夜が白みかけた6時半過ぎだった。それまでの間、各自車の中で待つことになった。 ハプニング2:いきなり道を間違える。北へ行くべきところ南方向に曲がった瞬間、後部座席から「Uターンしろ!」の声が飛んで来た。バスは出発早々Uターンを決めた。あり得ない。 ハプニング3:インターステートI-95高速道路に入ってしばらく走った頃、妙に寒いことに気がつく。それになんかうるさい。ドライバーが無言でバスを路肩に停車させた。なんとドアがロックされていなかった。 後部座席からデーブ君がすっ飛んで来た。デーブ君は施設メンテナンスを任せられている頼もしいお兄さん。ちゃっちゃとドアの状態を診断。どうやらロックできないらしい。なのでボディーからドアが浮いてバタバタするし寒い訳である。デーブ君は私たちに向かって「持ち物の中に堅くて平べったいもの、ロープかベルトのようなものがあったら出してください。」と指示。全員ごそごそと手荷物の中から使えそうなものを取り出して見せた。デーブ君はクシとベルトを選んでそれで見事にドアを固定。これでとにかく快適に高速走行ができるようになった。ロックはかかっていないんだけど。このドア事件で3回くらい高速道路の路肩に止まった。ハイウェイポリスに見つからなかったのは不幸中の幸い。 ところがこれでは終わらない。 ハプニング4:ニューハンプシャー州に入ってすぐの頃、私の目の前から突然煙がシューっと吹き上がった。火災?もはやこれまでかと思った。 また路肩に一時停止。デーブ君が再びすっ飛んで来て色々調べてくれた結果。私の前の席のオジサンがうっかり座席下の消化器を蹴っ飛ばして開封してくれたらしい。煙と思ったのは消化剤。おかげで私はすっかり消化剤まみれになった。新品のKEENのブーツ、どうしてくれる?
とりあえず往路のハプニングはここまでで、その後は快適走行で10時半ごろ現地に到着した。あれだけ色々あると無事にスキー場に着いたことが奇跡のよう。デーブ君と職場のチームワークのおかげです。それにしてもご当地のチャーターバス、整備もドライバーの力量も信用できない。 超低温で強風の日だったので、みんなフェースマスクとゴーグルにヘルメットをかぶり、スキーウェアも地味なのでゲレンデに出てしまったら誰が誰なのかまったく分からない。お互いに同僚と会わないまま単独で一日を過ごして、3時半ごろにベースロッジに再び集合した。 全員で夕食を食べて少し呑んで、帰りまた同じバスに乗り込んだ。 ハプニング5:夜のメイン州で道に迷う。スキー場を出発して30分ほど一般道路を走ったころに、ドライバーがぼそっと「誰か26号道路に出る道を知らないか?」と言い出した。GPSはちゃんとオンになっているのだが働いていないという。 慌ててiPhoneを何人かが取り出して検索。こちらのGPSはちゃんと作動している。そしてまたしてもこのドライバーが反対方向に走っていたことが分かった。またしてもUターン。真っ暗な雪道だけにかなり怖い反転だった。 それからしばらく元来た道を戻って、曲がり損なったらしい交差点にたどり着き、私たちの指示で無事に帰り道に戻った。このドライバーが寡黙なのもハプニングを大きくしている気がする。「ちょっと、もう本当に大丈夫なの?」「道に迷ったらいつでも私に言ってね。」近くに座っていた年配の同僚がドライバーに言ったが、これくらいの嫌みは当然だと思った。 色々ありすぎて消化剤までかぶった初参加だったが、スキーそのものやバスの中の和気あいあいとした助け合いがとても楽しかった。このバスツアーは後年まで語り継がれること間違い無し。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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