全ては決勝T進出のために
私は普段Jリーグは一切見ないのだが,サッカーワールドカップは日韓共催のときにハマり,以来,各国の選手をチェックした上で感染するのが常となっている。だが,今回は時差の都合でリアルタイムで観戦できないことが辛いところである。応援していたドイツが韓国に負けてGL敗退するという大波乱があったりと,何が起こるのかわからないのがワールドカップ。それでも決勝Tに進出するのは強豪国ばかり。そこに日本が入っているというのがすごい。日本のサッカーもついにここまで来たのかと,感無量の思いがある。最後の10分のパス回しについて,あれこれ言う人もいるけれど,私は全然ありだと思う。日本人らしく美しく勝ちに行くサッカーを望んでいる人には物足りないかもしれないが,要は結果が全てである。真正面からぶつかって行ったら負けるかもしれないような負け戦をするくらいなら,泥臭く,頭を使って弱くても勝てる方法を考えて勝ちに行かなければ意味がない。勝負の世界なのだから。何も考えずに真正面からぶつかって,カウンターを食らって点を取られるようなサッカーは,日本が戦争で負けたときの戦い方ではないのではなかろうか。失敗から何も学んでいない戦い方である。西野監督は,GKのファインセーブに救われたとはいえ,そこから学んで急遽作戦を変更したのではなかろうか。おそらく,試合に入る前からいくつもの作戦プランが有り,もう一つの試合の様子も見ながら作戦を変更したのではなかろうか。失敗から何も学ばず,それこそ点を取りに行っていたら,もしかしたらカウンターを食らって玉砕してしまっていたかもしれない。玉砕する日本なんて,美しくない。勝負の世界はどんな勝ち方であれ,勝ってこそ美しいのだ。否定する人もいるかも知れないが,そもそもスポーツは戦争の代わりとして発展した歴史がある。戦わずして勝つのも,一つの方法である。戦争として考えるのであるのならば,負けて勝つことだって十分有り得る。西野監督は以前,勝ったのにリーグ戦を敗退したつらい経験をしている。それだけに負けて勝つことの重要性を十分理解していたのだろう。ともあれ,日本が決勝に進出できたことは素直に嬉しい。時間が時間なので,リアルタイムで観戦できないことだけが残念でならない。