カテゴリ:仏青の活動報告!
![]() 6月28日の腰越での「海開き」の神事にミス鎌倉が出席することが決まり、「これはめったに見れるものではないぞ!」と仏教青年会の皆を誘おうと思い立ったのが、このツアーの始まりでした。せっかく皆が集まるのなら何か面白い仕掛けをしたいと思い、結果として以下のスケジュールで行いました。 6/28(土)「武家の古都・鎌倉を巡る旅」 参加者6人 9:45 JR藤沢駅に集合。江ノ電で腰越へ。 10:00 腰越で「海開き」神事に参加。 11:00 源義経ゆかりの満福寺見学 12:00 大町散策 13:00 大町のそば処「竹之家」で昼食。 14:00 釈迦堂切通へ。 15:15 上生菓子「美鈴」でひといき。 15:30 鶴岡八幡宮前から、人力車3台を貸し切って出発。 16:00 JR鎌倉駅西口に到着。江ノ電で由比ガ浜の「鎌倉文学館」へ。 17:30 江ノ電由比ガ浜駅で解散。 まず、「海開き」神事に皆を誘っていいものかどうか、最後の最後まで私は迷いました。卒業式をはじめ、日本人でさえ「儀式」というものはじりじりと耐え難いものです。まして、留学生の二人はどうでしょう。しかし、結果的に皆を巻き込んで良かったなと思いました。なぜなら、神事の光景が、古くから日本人が大切にしてきたものを実によく体現していたように思えたからです。その日の神事は、まず海に向けて結界を張り塩をまいて場を清めることから始まりました。そして結界の中で、厳かな雰囲気のなか巫女さんによって舞がしなやかに舞われました。日本人は、そこに綱が張ってあり隔てられているだけで無意識に「結界」を読み取ることができます。「立ち入るべからず」と立て札を架けるまでもなく、誰も敢えてそれをけがそうとはしません。その日本人の精神性を、二人に言葉ではうまく説明できませんでしたが、神事を通してその何かを感じ取ってくれていたみたいなのでホッとしました。 「観光地化されていない、鎌倉が見たい!」という、二人のリクエストを思ったとき、私がすぐに考えついたのが「大町散策」でした。昔ながらののどかな鎌倉の風景が広がっているのにもかかわらず、観光客がどっと押し寄せることがありません。その日は大当たりで、土曜日であるのに私たちの目の前に人は歩いておらず、皆にはまさに「貸切状態」の鎌倉を感じてもらえました。 私の人力車の師匠のおすすめのそば屋が「竹之家」でぜひ皆にもその味をと思い、昼食処に決めました。古い日本家屋を思わせる店内で、いろりを囲んで皆で円になって、手打ちそばを食しました。せっかくだからと三色そばを皆で頼み、茶そば、更級蕎麦、田舎蕎麦、それぞれの味わいに舌鼓を打ちました。その後は「そばがき」を皆で突っつき合って、そば湯を飲みつつ、まったりとした時間を過ごしました。おかみさんも気さくな方で、二人にも分かるように丁寧にそばについてのレクチャーをしてくださりました。「家族が日本に遊びに来たときに、また来たい!」という言葉ももらえたので、すすめてくださった師匠には感謝感謝です。 「腹ごなしに、ちょっと歩こうか!」ということで、釈迦堂切通を抜けて大町から雪ノ下へ山道を歩きました。切通(きりどおし)とは、山を削り人馬の交通を行えるようにした道のことを言います。この釈迦堂切通に関しては、もう道というよりは大迫力の洞窟と表現したほうがしっくりきます。それこそ、鎌倉武士も出てきそう。皆は口をあんぐりと開けてその壮大な姿に見入っていました。釈迦堂切通を経て雪ノ下へ出て、清らかな滑川の川沿いを鶴岡八幡宮を目指して歩きました。 ちょうどおやつ時になったので、ちょっと寄り道をして「美鈴」で上生菓子を皆で一つずつ買いました。聞いた話によると、お散歩雑誌の表紙になったこともあるそうです。その外観といい店内といい「和」の美しい装いは、さすが表紙になったことだけはあるなと、皆ため息をただただ漏らすだけでした。季節の花をモチーフにした繊細な生菓子は見ているだけでも楽しくて、食べるのは惜しいぐらいでした。 鶴岡八幡宮前で仲間の車夫にお願いして、私の大好きなお寺に寄って鎌倉駅につけるというコースを走っていただきました。その名も「寿福寺」。尼将軍で有名な北条政子が夫の源頼朝を思って創ったのがはじまりだと伝えられています。鎌倉一美しいと言われる参道が山門から本堂にかけてすらりとのびていて、木漏れ日に照らされる姿はまるで一枚の絵のようです。せっかくなので、人力車を3台並べて赤い山門を背景に写真を一枚撮っていただきました。実に鎌倉らしい記念の一枚になりました。 思い返してみると、よく一日でこれだけ回れたものだなと我ながら驚いてしまいました。鎌倉の神事に始まり、鎌倉のそばと生菓子を食し、鎌倉の自然を感じ、鎌倉の文学に触れ、かなり密度の高い一日でした。最後までついてきてくれた皆には本当に感謝です。「鎌倉人力車夫」「ミス鎌倉」の情報網からすると、これでまだまだ鎌倉を語り尽くしたとはいえません。鎌倉ツアーを第2弾、第3弾と主催していきたいなと思っています。そして、そもそも私自身、まだまだ語り尽くすほど鎌倉を知りません。これから引き続き一歩一歩、鎌倉通への階段を上っていきたいと思います。 (堤) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.20 18:33:05
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