大人になるには時間がかかる
僕は30歳で結婚したそのとき、自分が大人だったかというといやいやぜんぜん子供だった難しい専門書を読む傍ら少年マガジンなんて漫画本をよく読んでいたタバコも吸っていたヘビースモーカーで1日に60本は吸っていたと思う考えているのは遊びのことばかりで仕事は嫌いだった身勝手でデリカシーがなくずいぶんハニーを悲しませた振り返ってみると無駄なことばかりしていたように思うけど無駄が自分の成長の肥やしになっていたようにも思うだがいつもその無駄なことをいつかはやめよういつかやめると、考えていたなかなかやめられなかったけれど・・・ある日ハニーがビッグーニュースを僕に告げた子供を授かったとうれしかったハニーと子供のためにタバコをやめたあの日以来1本も吸っていないタバコをやめていちばん恩恵を受けたのは僕自身だった健康と自信を持つことができてなにより家族のためにもなることを少しだけ出来たことのうれしい気持ちを味わえたちょっとだけ大人になった気がした漫画本は相変わらず読んでいたけど・・・大人になるには時間がかかるそれは大人になるために必要だった無駄なことたちとの決別を決意して一つ一つ卒業しなければならないからなのかもしれない無駄なことたちは僕にとって確かに必要なことだったしかしそれは大人になるために必要なことであっただけなのだ大人になってしまった今はすでに必要ではなくなっている大人には大人の楽しみというものがあるひとつ坂を上るために背負っていた無駄なものを捨てなければならない捨てなければ登れないそうやってステージが高くなっていくさしみしい気持ちが無いではないが捨て去ることができて良かったと思えたことのほうが大きな意味がある無駄を捨てて身軽にならなければたどり着けない場所があるはてさて大人になるとは手間のかかることである