加藤浩子の　La bella vita（美しき人生）

5月24日　アムステルダムの不思議空間

　旅の楽しさのひとつに、その街独特の空間を発見することがある。
　とくに私のように、音楽が目的だと、コンサートホールやオペラハウス周辺の空間が楽しい。
　ここアムステルダムでも、不思議な空間を見つけた。

　有名なコンサートホール、コンセルトヘボウ横の古びたカフェレストラン。取材目的のバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートが始まる前の時間つぶしに、迷い込んだ。
　これがなかなかレトロでした。
　日本ではなかなかない、広ーい内部空間はもちろんだが、なんとテーブルクロスの代わりに分厚いじゅうたんが敷いてあったのだ。ペルシャじゅうたんというのだろうか、毛足が硬くて長ーいやつ。
　
　壁には音楽家の肖像画がかかっている。ホール周辺にはよくあるパターンだが、普通はサイン入りの写真か何かなのに、ここではなんと油彩の肖像画。これも初めて見る光景だった。
　バーンスタインの指揮風景の油彩肖像画が、木の壁にかかっている。天井からはずっしりとしたシャンデリア。
　
　有名なコンサートホールの横に、そこにしかない空間があるのは、とっても贅沢なことだな、と改めて思った。
　それにしても寒い！