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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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July 17, 2006
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カテゴリ:お仕事
 初めて名古屋で仕事をした。10月1日に愛知県立芸術劇場で上演されるオペラ「ラ・ボエーム」に向けた「シリーズ・トーク」という、対談形式の講演である。
 対談形式といっても、私の仕事は司会進行役。お話をするメイン・ゲストは他にいて、今回はフランス文学者の鹿島茂さんだった。著書100冊以上、博覧強記の鹿島先生に、「ラ・ボエーム」
の時代設定である19世紀のパリについて、語ってもらおうというわけである。

 色々面白いお話が聞けたのだが、私もそして会場の方々も一番興味をそそられたのが、やはり男女関係の話。「ボエーム」のヒロイン、ミミは、「お針子」という設定だが、これは鹿島先生の著書によると、「いまどきの女子高生のように、男性の心をそそる存在」だったのだそうな。
 地方から出てきて、大都会のパリで一人暮らしをしている、貧しい階級出身の若い女性労働者こそ「お針子」だったのだそうで、一人暮らしの若い女性となれば、男性に狙われるのは決まっている。さらに階層が低いと、男性の側はその女性と結婚は考えないので、気楽に(失礼といえば失礼だが)情事に入れるということらしい。
 そう、当時の「結婚」とは、階層を逸脱してはいけなかったのである。愛情など想像されてもいなかったらしい。
 「プチ・ブルの男性だったら、それ以下の階層の女性と結婚すれば、自分の属する階層を抜けなければならなかった。階層を離脱しなければならなかったんです」
 そしてある程度以上の階層の女性が結婚する際、どうしても求められるのが「処女性」だったという。
 だからね、「椿姫」でジェルモンが、息子とヴィオレッタが一緒になれるのを許せなかったわけなのですね。下手すればすべてを捨てなければならないのだから。親戚づきあいなんてとんでもない、でしょう。
 以前きいた話だが、あのダイアナ妃がチャールズ皇太子と結婚した理由の重要なひとつは、この「処女性」だったらしいよ。

 まあ、そんなわけで、愛情もへったくれもなく結婚すると、妻になってから情事に励む、という図式ができあがる、らしい。小説『椿姫』を書いたデュマ=フィスが嫌悪したのは、そのような「偽善」だったのだろうか。

 ところで、そんな時代だから、妻もせっせと恋愛したらしいが、妻に浮気された夫にも、「三種類あった」(鹿島)そうな。
 その1 コキュ。浮気されていることを知らない。
 その2 コルナール。浮気されて、激怒している。
 その3 コルネット。浮気されていることを知っていても、泰然自若としている。

 世間で「できた男」とみなされ、尊敬?されたのは、「コルネット」だったそう。うーん、だんなも大変!





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最終更新日  July 19, 2006 08:46:43 PM


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