昨日、今日と連続してオペラ公演です。
昨日はサントリーホールのホールオペラ「ドン・ジョヴァンニ」、
今日は新国立劇場の「ワルキューレ」。
詳しい感想は、HPの「コンサート日記」に書きましたのでここには書きませんが、いずれも、歌手が揃っていて瞠目でした。
生きのいい若手を揃え、ぴちぴちした(といいたくなる)サントリーの「ドン・ジョヴァンニ」、
若手、中堅からベテランのクルト・リドル(フンディング役)まで、力のある歌手を並べた新国の「ワルキューレ」。
とりわけ、ジークリンデを歌ったマルティーナ・セラフィンは初めて聴きましたが、大型ソプラノ!の印象強し。
女性らしい、表情があり豊かで、湿り気のある声、声量も十分、舞台栄えのする容姿も備えていて、何でも歌えそう。とくに「トスカ」など聴いて見たいと思わされました。はまり役だと思うなあ。
けれど聴き終えた爽快感はちょっと違い。快く帰れたサントリーに比べ、新国はやや疲れ気味。長さだけでなく、ワーグナーに陶酔しきれない、という個人的な理由だけでなく、指揮者の差もあるようで。
前者は、昨年の同じホール・オペラ「フィガロの結婚」も素晴らしかったイタリア人のニコラ・ルイゾッティ。遊び心のあるフォルテピアノも抜群、テンポも語感もすばらしく、歌手陣にふさわしく颯爽。
後者はこれが初めての「リング」というダン・エッティンガー。なんとなくちぐはぐで、ところどころ楽譜を追っているだけというのはそのせい?(それでも音楽の力でそれなりに聴けてしまうのがワーグナーなのでしょうが、それだと私は醒めてしまうのです)
できれば、どこか小さな劇場で振ってから、日本唯一の国立歌劇場でリングに挑戦して欲しいものです。