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このところ、生きのいい若手から、今月末にローマ歌劇場を率いて来日するムーティまで、イタリア人指揮者の活躍をとても楽しませてもらっていますが、今月半ばに来日するアルベルト・ゼッダ氏は、ちょっと別格のイタリア人指揮者、かもしれません。 1928年生まれ。今年で86歳!という現役最長老のイタリア人指揮者であることはもちろん重要ですが、ゼッダ氏の活動の多彩さは別格です。指揮に加え、いまや世界中の歌劇場でレパートリーになりつつあるロッシーニの数々のオペラ、特にオペラ・セリアを復活させた立役者。今ロッシーニやベルカントオペラのレパートリーに素晴らしい歌手や指揮者が目白押しなのは、ゼッダ氏がいたからこそ、といっても過言ではないかもしれません。 ゼッダ氏の詳しい経歴や活動については、日本のロッシーニ研究の第一人者で、ゼッダ氏とも親しい水谷彰良氏の以下の記事をごらんください。私自身はゼッダ先生とは一度すれ違って二言三言ご挨拶しただけですが、人間的にもチャーミングな方だということは伝わってきました。その理由が、この水谷氏の記事からもよくわかります。 http://www.tpo.or.jp/information/detail-zedda.php (イタリアに長く滞在していたイタリア通の音楽ジャーナリスト、Iさんと、ツイッターでゼッダ翁のことをやりとりしていたとき、彼女が「お持ち帰りしたいくらいかわいいおじいちゃん」と呟いたので、思わず笑ってしまいました。) 私にとってゼッダ氏は、まず「ロッシーニの研究者」でした。指揮者、解釈者としてのゼッダ氏の素晴らしさに触れたのは、つい最近のことです。日本での演奏会やオペラが主ですが、どの演奏もほんとうにチャーミングで忘れがたいものでした。 http://plaza.rakuten.co.jp/casahiroko/diary/201203050000/ そのゼッダ氏、昨年秋に来日し、日本でよく共演している東京フィルの定期に登場予定だったのですが、体調不良のためキャンセル。夏のロッシーニフェスティバルで、演奏中に倒れてしまったようです。私の友人がその場にいあわせ、「スローモーションのように倒れた」マエストロの姿にショックを受けた、と語っていました。超ご多忙だったようですから、お疲れもあったのでしょう。 そのマエストロ、見事に復活。今週、東京フィルの定期でリベンジを果たします。得意のロッシーニは、カンタータ「ジャンヌ・ダルク」など上演の機会の少ない作品も。大作「ウィリアム・テル」は有名な序曲ではなく、バレエ音楽とひとひねり。マリピエロのような、イタリア20世紀の「忘れられた」作曲家の作品も登場します。 ヴァイタリティあふれる若手の元気もいいけれど、ゼッダ翁のようなチャーミングなおじいちゃまの演奏からこぼれる、ふくふくした活気もとても愉しいもの。色んな意味で、ワクワクしている演奏会です。 演奏会情報はこちらです。 http://tpo.or.jp/concert/ 追記: ちょうどこの記事をフェイスブックに投稿した時、「ゼッダ翁羽田に到着」のニュースを読みました。よかった〜。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 13, 2014 09:49:39 AM
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