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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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July 29, 2017
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 ここ数年、旬の指揮者や演出家を招聘し、また海外のオペラ劇場との共同制作を通じて、意欲的なオペラ公演を行っている東京二期会。(今上演中の「ばらの騎士」も、グラインドボーン音楽祭の、とてもおしゃれなプロダクションです) 

  先日、2018−19シーズンのラインナップが発表されました。詳しい内容は、二期会のサイトでみられます。

 一見して感じたのは「半歩先」を行っているプロダクションがひしめいている、ということ。近年の二期会の意欲的な路線がますます深まった感じです。指揮者や演出家もですが、今世界で旬のベルカントやバロックオペラもあるし、また、プッチーニなら「三部作」と、ちょっとマイナーだけれど、なかなか上演がないぶん、ちょっとディープなファンは聴きたいと思っている作品を持ってくる。日本人オペラの傑作「金閣寺」は、フランスのラン劇場との共同制作で、あちらの公演にも二期会の歌手が出るようです。また、指揮者に加えてオーケストラの選択も、それぞれの楽団の得意どころをおさえている。(イタリアオペラは東フィル、ドイツものの「フィデリオ」は読響といったぐあい)

  来年2月のシーズン開幕は「ローエングリン」。これは固いところでしょう。「トリスタン」の演出をした深作健太さんが再登場です。

 以下、個人的に楽しみな公演とポイントです。 

3月は、リッカルド・フリッツァ指揮「ノルマ」。これはイタリアオペラファン、ベルカントファンにはたまらない。イタリアの中堅フリッツアはベルカントからヴェルディで高く評価される才人。オケはこれもこの手のものが得意な東フィル。セミステージですが、音楽に集中できそうです。 

  5月はヘンデルの「アルチーナ」。(少なくとも欧米では)流行りのバロックオペラです。新国立劇場ではなかなかやってくれない(集客的な問題もあるでしょうが)ぶん、貴重です。指揮が鈴木秀美さんというのも楽しみです。

 7月は「魔弾の射手」。コンヴィチュニー演出というのが楽しみ。きわめつけのドイツものを、ドイツ人コンヴィチュニーがどう料理するのか。読響がピットに入るのも期待できます。

 9月、プッチーニ「三部作」。これも「ノルマ」同様、イタリアオペラファンとしては待っていましたという感じ。とても完成度が高いのに、上演の機会が少ない(全部やると時間がかかるから???)名作です。ミキエレットの演出は面白そう(ちょっと怖くもありますが)だし、オペラを知り尽くしたド・ビリーの指揮も楽しみ。これは贅沢な顔合わせです。

 このようなラインナップに加えて、日本各地の劇場との共同プロダクションも活発。今上演中の「ばらの騎士」はこれから、秋に名古屋と大分に回りますし、来年の「アイーダ」は札幌、横浜、兵庫、大分と日本を縦断します。日本のトップレベルのオペラが、各地で共有される意義は大きいと感じます。

 今回の演目は、ひょっとしたら少し渋い?かもしれません。けれど、たとえば、昨今、集客を考えてのことでしょうが、もっぱらスタンダードレパートリーが中心の新国立劇場ができない冒険を、やってくれているという印象です。このような路線があってこそ、日本のオペラ界は活性化する。半歩先の意欲的路線に、エールを送りたいと思うラインナップでした。

 

 

 






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最終更新日  August 10, 2017 11:25:39 PM


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