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一週間が終わる。
いつものように慌しく終わる。 相変わらず、心に余裕というものがなく、 正確には『慌しく』ではなく、『何とか』終わる。 そんな中、施設の母親が誕生日を迎えた。 88歳。米寿である。 米寿と言っても、特に盛大にお祝いもできないが、 施設で『お誕生日会』をしていただいた。 ![]() 母は認知症ではあるが、おかげ様で身体は元気。 しかし・・・ 施設で6年になるが、先週は初めて俺が誰なのか、 結局帰るまでわからないでいた。 認知症の進行を遅らせる薬を服用しているが、 来るべき時が来たか・・・と受け入れる。 1分前の記憶が無くなっても、 既に他界した父が元気かと聞かれても、 俺の事だけは息子だとわかってくれていた。 先日は部屋で2人になっても、敬語で話してきた。 ありがとうございます。 お世話になります。 まさかとは思ったけど、やはり息子だとわかっていない。 うちの息子の事、ご存知なんですか? そういえば、最近は毒舌が聞けていない。 母が認知症だと、初めは本当に受け入れる事に苦労した。 当時のホーム長に、一年くらいで息子さんだと わからなくなるかもしれません・・・と言われていた。 薬とホームでのお友達と。 ヘルパーさんたちのお世話と。 考え方ではあるが、大阪であのまま一人でいたより、 5年くらいは時間が延長できたかなと。 良い方に考えたりしている。 ・・・誕生日会は平日。 15分だけなのでお越し下さいと言われ、 毎年参加させていただいている。 ![]() この日は息子だとわかってくれていて、 「今日は何でパーティーしてるんや」 と、10回くらい聞かれたけど、敬語じゃないから 何故かいつもより笑顔が出た俺。 オカン、こうでなくっちゃ・・・であった。 部屋に戻り、ベッドの横。 先ほどのスイッチは切れ、窓の外を見ている母。 ![]() ず~っと。空を見ている。 そうですね。これも認知症ですね。 改めて納得した俺。何故か自分が笑える。 ・・・オカン。 88歳、誕生日おめでとう。 俺、忙しくてなかなか来れていない。 これはきっと言い訳でしょう。 でも俺は息子ですからね。 あなたが俺の事、誰かわからなくなってもですよ、 ハチャメチャな話をエンドレスで繰り返してもですよ、 真正面から聞いてあげるのは俺なんだろうと思う。 一緒に空を見れることも。 睨めっこができることも。 あなたが昔、俺にしてくれたこと。 さっき一緒に歌ったたった歌も。 あなたが昔、歌ってくれた歌です。 ![]() 歌いながら手を叩いてくれたけど。 しあわせなのかなぁ。 これからも元気でいてください。 sally 秦基博 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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