テーマ:暮らしを楽しむ(383734)
カテゴリ:日常のあれこれ
毎日が妙に忙しく、日記からもすっかり遠ざかってしまいました。
でも今朝は、昨日仕事で訪ねた小田原に感銘を受けたので、ここにしっかり記録しておこう、と。 私が「感銘を受ける」のは、主として「飲み食い」分野に限られるのですが、でも、そこに厚みがある町は、間違いなく文化一般が奥深いと思う! 仕事の約束は午後だったのですが、早めに現地入りして食べた昼食で、まずにっこり。 漁港があるので、魚がうまいのです。 ネットで調べておいて、駅近くの魚問屋直営という小さな店に向かいました。 本来なら鰺その他の地魚を刺身で食べるべきところを、観光客丸出しで「金目鯛煮付け定食」1250円を。 これが、すばらしかった~~。 分厚い切り身が2つ、こっくりと味濃く煮えて出てきました。作り置きしたのを温め直した、というのではなく、その場で作ってもらったようです。 メニューは、ただ「ご飯、味噌汁付き」みたいに素っ気ない書き方なのに、アサリの味噌汁がまた、貝への火の通り方も絶妙で、いわゆる「定食屋の煮詰まった味噌汁」とは別モノでした。 さらに、さりげなく添えられた「デザート」も、レベル高し。くずきりみたいな小鉢ですが、中身はわらび餅みたいな、もっと柔らかくふるふる揺れる透き通った、和風ゼリーのようなもの。黒蜜ときなこがちらりとかかって、冷たくのどに滑り込んでゆきます。 少なくとも、定食のおまけに付いているような味わいじゃない、と思いました。 仕事で向かった先も、創業100年超の蒲鉾メーカーでした。 が、小田原にはもっと古い蒲鉾屋もあり、全13社が組合を作って「小田原おでん」というアンテナショップを出しているのです。 仕事が片付いた後は、現地の支局長さんに連れられて、そこに繰り出しました。 これがまた、すばっらしくうまかった!! え~、おでん?(所詮練り物を出汁で炊いただけでしょ……?) と、思ってしまいそうだけど、それがちがう! 伝統を誇る各社が、自慢の一品を出していることもあって、練り物はどれも工夫が凝らされ、味も歯触りも、よくある「薩摩揚げ」とは別モノです。 例えば、第1回おでんだねコンテスト最優秀賞だったという「しらす団子」は、真ん中にショウガとシラスを丸めた周囲を吟味した魚で作った練り物で覆っています。 生臭さも皆無。きょにゅっとした歯触りは、出汁でしっかり炊いても損なわれません。 あと、白はんぺん=あの一般的なふわふわしたやつ、ではなく、「しんじょ」に似たしっかり歯触りのもの、だったり、小田原独特の文化もあるようです。 全体を湯煎で温めて、決して煮立たせない出汁も、鰹風味が効いてどこまでも透き通ってうまいのです。 幸せな夜でした。 しかも、横浜からも意外に近い! 東海道線に乗ってしまえば、なんと1時間ちょっと。 寝過ごすこともなく、ちゃんと帰り着いたし。 このほか、あんパンが有名だという「守谷」という昭和な感じのパン屋とか、箱根湯本から無料送迎バスで5分!という「ひめしゃらの湯」とか、感銘ポイントはいろいろありました。 支局長さんの奥様に聞くと、パン屋はまだいくつも美味しいところがあるというし、和洋のお菓子屋さんなんかもいろいろあるようです。 そうだろうなあ。城下町だもんなあ。 以前、伊豆に両親と出かけた帰り、小田原を走り抜けたことはありました。 そのときの印象は「うわ……寂れてる……」という芳しくないものだったけれど、それは国道沿い=町外れ、だったんですなあ。 歩いて回る町中の雰囲気は、そのときとは全く違う横顔でした。 考えてみれば、箱根への玄関口という街道沿いの町、というだけでなく。鎌倉を築いた北条氏の拠点城下町として、長い歴史を持つ町なのです。 魅力的な町であって、当たり前。 小田原、いいな。 絶対、今度は休みの日に、また行こうっと♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|