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僕が村上春樹と初めて出合ったのはドイツに渡った最初の年、日本の友達がドイツで
の一人暮らしは寂しかろうと、テープに小説を録音して送ってくれたのが最初だった

僕はそれまで彼の名前さえ知らなかった。
1990年の事でまだMDはなく、カセットで90分テープで19本からなるものだった

「ノルウェーの森」と言う小説だった。
僕はそれからずいぶん長い間その小説の世界から抜け出せないでいた。
自分で本を読むということが困難なため、今までほんの少ししか小説を知らないが、
本当は本を読むことが僕にとって無常の喜びであることに気付いた。
彼がこの小説の中でグレイトギャピーを讃えているように、僕にとってはこの本がと
ても大事な物だった。
この本が、当時日本で有名すぎるほど有名だと後で知って、残念な気がしたのを憶え
ている。
この本に魅かれた理由は、彼が自分とは全く違う人間である事と、時代背景、そして
「精神病」と世間では言われているものを抱えている人たちのことが書かれていると
ころである。
直子と言う人物を通して自分の心の中の闇と必死で戦う人々のことを思うことができ
た。
「僕が捻じ曲がっていると思う連中は、皆元気に外を歩き回っているよ」と言う主人
公の言葉を思い出す。





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最終更新日  2005.11.06 21:34:39
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