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「ノルウェーの森」は「蛍」「めくら柳と眠る女」と言う二つの短編小説が基となり
、長編小説に膨れたものであるが、一貫して直子のことについて述べている。 直子が山道を歩きながら、野井戸の事を話す場面がある。 まだ彼女が小さなころにお姉さんを、高校生の時に彼を、共に自殺で無くし、それか ら彼女が自分の命を絶つまで、何年間かの間ずっと死の世界からの呼びかけを恐れ、 引きつけられ、拒みきれずにいたそれが野井戸でありめくら柳でありビートルズのノ ルウェーの森などかもしれない。 そして直子のそんな何年間を彼女を愛して生きた主人公が直子を無くした時、自分に とっても親友だった直子の彼にやはり彼女を連れていかれた嫉妬のような気持ちと、 最後の最後に彼女を放り出して別の女性に恋してしまった自分を許せなく攻め続ける 苦しみが書かれている。 高校生のころ親友を無くした主人公が言った言葉がとても印象的である。 「僕はそれまで生と死は対角線上にあり、生はこちら側で死はあちら側にあると思っ ていた。 しかし親友を無くした今、僕はこう理解する。 死は生の中にすでに存在する、すべての手で触れることのできる物の中に死はすでに 存在しているのだ。」 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.11.08 00:55:35
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