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カテゴリ:茶木の音楽紀行
チョンソンの部屋は4畳半ぐらいの広さで、備え付けのベッドと机、それに洋服だん
すと本棚、洗面所があり、本棚には本がぎっしりと並んでいて机の上にも本が積み上 げてあったが、ベッドの横の壁に一つリースのような飾りが有るだけで、テレビもス テレオもない至ってあっさりとした部屋だった。 しばらく僕たちは楽しく話していたが、僕はあまり長い間女性の部屋に居ては失礼な ような気もしたので「そろそろ行くよ、コーヒーをご馳走様」と言って立ち上がった 。 「あら、もう行っちゃうの、次は韓国料理に招待するわ」と言ってにっこりした。 チョンソンは寮の玄関まで見送ってくれ相変わらず強い雨が降っていたので「これ女 物だけど」と言ってピンク色の傘を貸してくれ、バイバイと手を振って別れた。 それから彼女はしばらくレッスンに顔を出さなかった。 1ヶ月ぐらい後に会った時「今大学の方が試験攻めでもう大変なのよ」と疲れた顔で 言っていた。 5月になり一斉に花々が咲き、6月になって再び夏がやって来た。 一年のほとんどがどんよりした曇り空の中部ドイツも夏になると毎日お天気の良い日 が続いて、日本のような湿気のある夏ではないので過ごしやすく気持ちが良かった。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.03.21 13:54:00
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