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以前、15年前の1993年の7月末から8月初めまで台湾に滞在した話をしました。
当時、1000キロ離れた鹿児島は集中豪雨なのに、台湾全島は雨が降らず、渇ききっていました。 いつ日本へ帰国したか記憶になかったのですが、ふとしたきっかけで思い出しました。 それは8月9日でした。 なぜ思い出したかというと、その前日の8月8日、台湾は『父親節(父の日)』で、妻の実家でケーキを食べたのです。 私の妻の妹の一人がパン屋を経営する男性と結婚し、実家の近くに住んでいます。 当日は『父親節』なので、腕によりをかけて作ったケーキを持ってきました。 当時は健在であった義父も娘、息子、孫たちと一緒にケーキを食べていました。 義父はどちらかといえば辛党なのですが、『老いては子に従え』を実践しているらしく、文句ひとつ言わず平らげたのはご立派でした。 では、なぜ8月8日は台湾では『父の日』なのでしょうか。 まず、『8』は中国の普通話、台湾の国語では『パー』と発音します。 どこの言語でも、家族、親族をあらわす単語はたくさんあります。 日本の『父』にあたる、多くの単語の中で最も通常に使われるものが『パパ』です。 (あらたまった席でも、つかえるかどうかはわかりません) ちなみに、『母』は『ママ』です。 英語の『パパ』『ママ』とは、おそらく関連はないでしょう。 日本では『8』つまり『八』は『末広がり』で、縁起がいいとされています。 しかし、私の知るかぎりでは、中国、台湾では、反対です。 ずいぶんと昔、『ワンパターン』といわれたタレントがいました。 最近は顔、名前をテレビでは見ませんから、『あの人は今』の世界にいるのかも知れません。 この『ワンパターン』は英語ですが、これに似た発音を中国語ですると大変な侮辱になるといわれています。 漢字で書けば『忘八蛋』または『亡八蛋』です。 この意味は『人間として持っているべき、八ツの徳を持っていない』ですから、つまり「お前は人間でない」と同じです。 具体的には、遊郭の経営者、そこへ女性を斡旋する女衒(ぜげん)への別称または蔑称として使われました。 これらの省略形である『忘八』または『亡八』は、亀の異称としても使われました。 これは俗説ですが、亀のメスは蛇と交わるため、このような異称をつけられたといわれています。 中国人が日本人を蔑視する原因のひとつに、『日本人はスッポンを食べる』があります。 生物学でのスッポンと亀との関係はわかりませんが、親戚同志と考えた中国人から見れば、あのような物を食べる日本人に向ける目が温かいはずはありません。 以前、台北の龍山寺付近の華西街にはすっぽん鍋を食べさせる店がありました。 今から考えると、あれは日本人が持ち込んだものでしょうか。 昔は、華西街には遊郭がありましたから、関連産業として発達したのかも知れません。 華西街うんぬんは、私の単なる見聞記でありまして、決して体験記ではありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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