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朝日新聞社は28日、東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐる「吉田調書」報道で5月20日付朝刊の記事を取り消したことに伴い、6人の処分を決めた。
記事を出稿した特別報道部の市川誠一・前部長を停職1カ月、市川速水・前ゼネラルマネジャー(GM)兼東京報道局長、渡辺勉・前ゼネラルエディター(GE)兼東京編成局長、出稿を担当した前特別報道部次長の3人を停職2週間、取材チームの前特別報道部員と前デジタル委員を減給とした。 いずれも12月5日付。 朝日新聞社は5月20日付朝刊で、所員らの9割にあたる約650人が吉田昌郎所長(故人)の第一原発での待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発に撤退したと報じた。 しかし、吉田所長の発言を聞いていなかった所員らがいるなか、「命令に違反 撤退」という記述と見出しは、多くの所員らが所長の発言を知りながら第一原発から逃げ出したような印象を与える間違った表現と判断し、記事を取り消した。 その際、事態の重大さから、杉浦信之取締役の編集担当職を解任したほか、市川速水GM、渡辺GE、市川誠一部長(いずれも当時)の職を解いた。 また、慰安婦報道の問題なども含めた一連の事態に対する経営の責任を明確にするため、12月5日には木村伊量社長ら3人の取締役が辞任、取締役1人が執行役員へ降格、執行役員1人が辞任することを決めている。 ◇ 〈西村陽一取締役・編集担当の話〉 吉田調書報道に関し、本社の第三者機関「報道と人権委員会」から「読者の視点への想像力と、公正で正確な報道を目指す姿勢に欠ける点があった」と厳しい指摘を受けました。 これまでの社内の調査の結果、取り消しに至った記事については、意図的な捏造(ねつぞう)ではなく、未公開だった吉田調書を記者が入手し、最終的に記事として送り出す過程で思い込みや想像力の欠如があり、その結果、誤った記事を出稿した過失があったと判断しました。 さらにそうして出稿された原稿のチェックや評価、取材指示などについても上司が果たすべき役割を十分に果たさず、組織として誤りを防げなかったこと、掲載後に受けた批判に適切に対応しなかったことなども大きな誤りであったと判断しています。こうした判断を踏まえて、職責が重い人間に、より厳しい処分を適用しました。 東京電力福島第一原子力発電所の所員の方々や、みなさまに改めておわびをするとともに、本社は今回の事態を非常に重い教訓と受け止め、信頼を得られるよう全力で努めてまいります。 朝日新聞デジタル 11月28日(金)14時45分配信 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.11.29 15:50:30
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