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カテゴリ:ファーストキス~花澄編~
「ん?」
えっ? わたし……。 変なこと言った? 温泉だと旅行になるから……。 だから……? 何か都合……。 「あっ!」 わたし、ようやく竜也が言いたいこと、理解できた。 「あっ、あの……そういうわけじゃなくて……」 あっ……。 何て言ったらいい? 言葉が見つからない。 ただ単に温泉に行きたいって思っただけで……。 そういう……。 深い意味とかなくって……。 ヤダ……。 顔が熱くなってきた。 きっとわたし、真っ赤だ。 「花澄、あのさ……」 「あっ……」 わたし、竜也を見た。 ドキッ。 竜也とわたしの瞳がぶつかる。 吸い込まれそうな瞳。 何も言えなくなる。 竜也の顔がほのかに赤いのが分かる。 「花澄……」 竜也が静かにわたしの名前を呼んで。 ゆらり。 竜也の顔がわたしの顔に近づいてきた。 うそ……。 鼓動が早くなる。 ドクドクドクドク……。 今までに聞いたこともないくらい大きな音。 竜也に聞こえそう。 わたし、思わず目を閉じた。 いっ、今? キッ、キスするの? ここでファースト・キス? キャー。 どうしよう……。 どうしたらいい? こ、心の準備ってものが……。 そんなに急に……。 あっ……。 わたし、お昼何食べたっけ? 臭いのキツイのは食べてないよね? 何か……。 心臓がはち切れそう。 深夏もこんな風に感じだったのかな? キスするときって、こんなにドキドキするもんなの? わたしの唇と竜也の唇があと少しで重なる。 >>>つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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