|
カテゴリ:ファーストキス~竜也編~
「だって、昨日のあんた、帰ってきたとき、何か違ってたもん。落ち込んでるっぽかった」
すげー図星。 オレ、言葉が出ない。 「しかも、わたしが部屋に行ったの、気付いてないでしょ?」 「いつ?」 「夜。夕ご飯だから呼びに行ったのに……あんた、ぐっすり寝てたし……何か、疲れてるっていうか……曇った顔して寝てたわよ?」 うそ……。 オレ、全然気付かなかった……。 相当、爆睡してたんだ……。 てか、寝てるときまでそんな顔してた? というか……。 何で姉キはそんなとこまで読み取れるんだ? 超能力者かよ……。 「何かあった?」 「……何もねーよ」 「……ならいいけど……」 そう言った姉キの目はあるだろって言ってるのがオレにも分かった。 けど、あえてそれは突っ込んでこない。 「お母さんも心配してたわよ?」 「んなこといわれても……」 「まぁ、お母さんは竜也がかわいくてしょうがないからねー」 姉キが皮肉たっぷり込めて言う。 「知らねーよ。子ども扱いしてるだけだろ?」 「しょーがないじゃん。あんたは末っ子なんだもん。要領いいし……わがままゆっても許されるし……成長しないからね……」 すげー嫌味。 なんで本人目の前にそーゆーこと、言えるかな? しかも、今日のオレ、無抵抗の病人だろ? まっ、姉キの性格は分かってるからいいけど……。 「何かあっても、家族に察知されないようになれば一人前だよ!」 姉キがオレの髪をクシャクシャっとした。 「やめろって!」 >>>つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ファーストキス~竜也編~] カテゴリの最新記事
|
|