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カテゴリ:ファーストキス~竜也編~
「マジ? 竜也って、見るとこ見てんだーと思ったんだけど……」
「そんなの……知らねーよ!」 あー! 顔が熱い。 オレ、絶対、顔が赤い。 やっぱり……。 この手の話、苦手かも……。 「つーか……何もしねーって……」 できねーよ……。 「あっ、姉キ帰ってきた」 反対の耳から朱紀斗くんの声が聞こえた。 「花澄、帰ってきたけど……」 「あっ、代わって?」 「変なこと言うなよ?」 オレ、確認してしまう。 「言わないわよ!」 真奈のその言葉。 信用するしかないか……。 「ちょっと待って」 オレ、近くに来た花澄に受話器を差し出した。 驚いた様子の花澄。 でも、電話に出るとホッとした感じで話してる。 花澄は専ら、真奈の話を聞いてるって感じで、時々、感嘆だけをあげている。 その複雑な表情……。 真奈にクギを刺しておいたものの……。 ちょっと心配。 あいつは何を言い出すか分からない。 後ろには優也と郁己がいるし……。 何かを言われているらしく、次々に花澄の表情が変わる。 それを見てるのもおもしろいなーと思う。 オレは、朱紀斗くんの隣に座る。 「あっ……真奈……」 花澄がそう言って、受話器を置く。 その場で固まる花澄。 どうやら、一方的に切られたっぽい。 真奈ならやりかねない。 想像がつくだけに、何か、おかしくなる。 >>>つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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