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カテゴリ:Precious love
「その優也の理論がオレには分かんねーよ……」
訝しげな郁己の顔。 「好きなら好きでいいんじゃねーの? 好きだったら、他の男と一緒にいるの、見るのも嫌だろ? 自分のもんにしたいっしょ?」 「だから、過去形だって! 今はレンアイ感情なんてねーよ」 花澄のこと、好きな気持ちは友達として。 深夏や真奈と同じだ。 「オレには理解できねーよ……」 郁己が立ち上がって、ベットに寝転んだ。 「やっぱ、好きは好きじゃねー?」 後ろからつぶやくような声が聞こえる。 オレは……。 一度好きになった奴でも、友達でいられる自信はある。 というか……。 嫌いになれないんだ。 今まで付き合った子もそう。 相手がいいのであれば、オレは友達でいるつもりだし……。 実際、そういう子もいる。 好きだった事実は消せないから……。 いいところも悪いところも知ってるわけで……。 だからこそ、余計に嫌いになんてなれない。 露骨に避けることもできない。 そういう態度が友達に戻ってしまってるってことになるんだけど……。 オレはそういう人間なんだ。 でも、友達に戻ってから、レンアイ感情が復活したことはない。 花澄のことは、タカを括ってたのかもしれない。 いやっ……。 今回の場合、復活したわけじゃなくて……。 やっぱ、好きだったんだな……っていう実感だ。 きっと、オレは、花澄のこと、好きっていう気持ちをなくそうとしてたんだ。 それを今、再確認しただけ。 >>>つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月05日 20時12分34秒
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