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カテゴリ:いまのあたしを作った過去
父が旅立った。 記事にすべきか少し悩んだけれど、あたしが8カ月の時に母と離婚している父の 今まで知らなかった人柄を知れてサヨナラが言えた事を記憶しておきたくて。 2012年5月6日午後、あたしが生まれた室蘭の街で父は亡くなった。 7日午前に父のお兄さんから電話をもらって、 あたしは旦那さんにすべて任せて8日の通夜と9日の葬儀に参列した。 あたしの記憶のない内に離婚しているし、親族の顔も知らない。 そんな中、誰もあたしが行くとは思っていなかった。 「行かなきゃ」 あたしのルーツ。 大きくなってから数回会っただけで、あたしは父の事を何も知らない。 どんな人で、どんな事が好きで、どんな生き方をしていたのか… 知りたかった。 8日早朝に家を出て関空から飛び、高速バスに揺られ 斎場に到着したのは通夜で集まる時間より大幅に早かった。 入るとすぐ、斎場スタッフらしき方と超細身の父に似たオジサン。 その初対面のオジサンはあたしを見るなり 「女将チャン???よく来てくれたね」 と親族控室に通してくれた。 どうやらお兄さんではなく、高校時代からの親友さんだったらしい。 なぜあたしとすぐに分かったんだろう… 初めて会う(記憶の中で)親族は暖かかった。 お兄さん、お姉さんがいて、その娘たち。 初めて叔父さんも叔母さんもいとこもいる事を知った。 そしてお兄さんに開けてもらった棺桶の中の父は 穏やかな寝顔で、冷たかった。 お兄さんとお姉さんに離婚する前までの事を聞かせてもらった。 父が離婚したくなくてねばった事も、赤ちゃんのあたしにキスをする父の写真がある事も。 父に風体がそっくりな親友さんからも離婚の時や今までの父の素顔を聞かせてもらった。 酔うといつもあたしの話をしていたらしい。 孫である壱の話も。 車が好きで、音楽が好きで、釣りが好きで、バイクが好きだった、 居酒屋おぶりがぁどのマスターとして慕われた父。 近親者のみだろうと選んだ小さい会場では入りきれず 参列者が廊下まで連なった通夜・葬儀。 そこには小さい居酒屋の店主とは思えない人脈と人徳を感じられた。 行って良かった。 知れて良かった。 父に関わってくれた全ての人たちに感謝します。 遺品に持ち帰ったのは、ずっと飾ってあったらしい額入りのあたしの写真や 父の写真、ギターのピック。 昔の父の笑っている写真は、あたしの笑っている顔と同じでした。 この世に送り出してくれてありがとう。 父が引き寄せてくれた親族も大切にしていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年05月17日 10時12分13秒
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