春風献上

ネットカフェ代は２，０００円強。
夜２３時～朝８時の約９時間としてこの金額は安いと
思うけど、どうだろう。

朝、近くのコメダ珈琲まで歩く。


４２０円が安いとは思わないが
（東京でも、この内容でモーニングをやってるお店は沢山ある）

これから始まるであろう闘いの前に
とりあえず何か美味しいものを食べて元気を出したかった。
ひとりで来ている老人（推定８０歳前後）が沢山いて
ココにひとりで来る元気（おそらく車を運転）が羨ましい。

バスで駅へ、また買い物をして、バスで自宅へ。

昨夜と同じ、何度呼びかけても出てこないので、今度は鍵を使って中へ。
母は、いた。ワタシが娘と理解したかどうかは分からないが
大きな声を出すこともなく、ただ面倒そうなことを言う。
やっと起きたという風貌だ。もうどれ位、寝ていたのか。
しばらく食べていなかったのか、持参した巻きずしが美味しいと言い
珍しく半分くらいを食べる。

机の上には賞味期限を過ぎた惣菜。
床には割れたコーヒーカップ。
台所にはすっかり冷えて固まった数日前のものと思われるラーメン。
掃除していない床には誇りが溜まり
その中で父の遺影と小さな仏壇に手を合わせる。
座って、何度もチーンという音をさせたワタシのことを
母はどれくらい分かっていたのか。

覚悟はしていたが
会話が成り立たない。
会話のキャッチボールができない。
電話が鳴っても出ない。

いろんなことを話しかけて、何とか思い出してもらおうと努力。
頭の中がモヤモヤしているような様子だ。

朗報もある。
持参した巻き寿司や、エビ団子を美味しいと言ってくれたこと。
味は分かるようだ。
そして何度もお湯を沸かしてくれた。
フリーズドライのお味噌汁を食べることもできる。
そして夕方には１０日ぶりにお風呂に入ると言い出して
実際には退院して１８日経っているので
それ以来なのかもしれないけど
そして、東京に戻るワタシを送ることができた。
門のカギを閉めることができた。
毎日の習慣になっていることはできるようだ。

東京に戻ってもいいかと聞くが、答えることができない。
人の話すことの１０％ほどしか理解できていない気がする。
その状況で残すことは辛いが１月２日にまた来ることを話し
（もちろん理解できたかどうかは怪しい）
飛行機の時間ギリギリまで話をして、家を出る。

後ろ髪をひかれる思いだが
実際に会って状況を確認したことで、やるべきことがある。
認知症を診てくれる病院を探さなければいけない。
おそらく予約制だろうから、年始のいつから予約開始なのか
ひょっとして数週間待ちだったらその間、どうすればいいのか

電話に出ることができないので、今まで以上に帰省して
無事を確認する必要がある。
早速１月は・・・仕事の状況を確認して早くチケットの
手配をしなくてはいけない。
上司にも言っておいた方がいいだろうか。
どうせ今の会社で出世など期待していない。
毎日転職のことを考えていたが、もうこうなったら破れかぶれだ。
席を残してもらい、休職でもして、母を何とかしなければいけない。

一時的なショックであってほしい。
なんとか回復してほしい。