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2018年03月03日
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カテゴリ:読書



谷崎潤一郎 上海交遊記

著者:谷崎潤一郎
編:千葉俊二

谷崎潤一郎の海外経験は生涯に二度、いずれも中国がらみの旅である。

最初は大正7年、朝鮮半島から旧満洲を経由して北京、漢口、南京、蘇州、上海、杭州をめぐる2ヵ月の大陸周遊。「鉄道院のガイドブツクと地図とに拠つて自分の勝手に歩き廻る」ツーリストの旅であり、作家の「支那趣味」をおおいに満たすものであった。

ついで大正15年、「気に入つたらば一戸を構へてもいいくらゐ」との思いも抱いて航路で直接上海へ。こちらは滞在1ヵ月余、内山書店店主・内山完造を介しての田漢、郭沫若、欧陽予倩ら「彼の地の若い芸術家連との交際」は、オリエンタリズムに彩られた隣国理解を一変させることになる。

「蘇州紀行」「廬山日記」「秦淮の夜」「西湖の月」「鶴唳」「上海見聞録」「内山完造宛書簡」ほか、紀行文、旅日記からエッセイ、作品、全集未収録の手紙・談話まで、「大谷崎」を魅了した「中国」の全貌を1冊に集約。

目次

I
蘇州紀行
廬山日記
支那の料理

II
秦淮の夜
西湖の月
或る漂泊者の俤
鶴唳

III
上海見聞録
上海交遊記

IV
きのうけふ (抄)
旧友欧陽予倩君を憶
内山完造宛書簡

解説 千葉俊二

著訳者略歴
谷崎潤一郎
たにざき・じゅんいちろう
1886(明治19)年、東京日本橋に生まれる。東京府立第一中学校、第一高等学校を経て1908年、東京帝国大学国文科入学(1911年中退)。1910年、小山内薫らと第二次「新思潮」創刊、同誌に「誕生」「刺青」などを発表。
翌年、「三田文学」で永井荷風に激賞され、新進作家ながら文壇的地位を確立。著書『痴人の愛』(1925)『蓼喰う虫』(1929)『卍』(1931)『春琴抄』(1933)『文章読本』(1934)『陰翳礼賛』(1935)『潤一郎訳源氏物語』(1939-1941)『細雪』(1946-1948/朝日文化賞)『鍵』(1956)『瘋癲老人日記』(1962/毎日芸術大賞)ほか。1949年、第8回文化勲章受章。1941年、日本芸術院会員。1964年、全米芸術院アメリカ文学芸術アカデミー名誉会員。1965年歿。

千葉俊二
ちば・しゅんじ
1947年、宮城県に生まれる。早稲田大学第一文学部人文専攻卒業。早稲田大学教育学部教授(日本近代文学)。
著書『谷崎潤一郎――狐とマゾヒズム』(1994)『エリスのえくぼ――森鴎外への試み』(1997、以上、小沢書店)、編著『潤一郎ラビリンス』(1998-1999、全16巻、中公文庫)『新見南吉童話集』(1996)『鴎外随筆集』(2000)『日本近代文学評論選』(共編2003、全2巻、以上、岩波文庫)『谷崎潤一郎必携』(2002、學燈社)ほか。






内山完造先生がらみで谷崎。同書には「内山完造宛書簡」も収録。

谷崎の中国観に関しての考察には以下のものも勉強になる。



『谷崎潤一郎 中国体験と物語の力 (アジア遊学)』(勉誠出版)

商品基本情報
発売日: 2016年08月31日
著者/編集: 千葉俊二, 銭暁波
出版社: 勉誠出版
発行形態: 全集・双書
ページ数: 224p
ISBNコード: 9784585226666

​商品説明
【内容情報】(出版社より)
中国を旅した谷崎潤一郎は、そこで何を見たのか、どんな影響を受けたのか、そしてそれをどのような物語として表現したのか。
体験と表象の両面から、中国、上海と創作の関わりを考察。
日本、中国、欧米の研究者による論考を掲載し、世界の読者が読む谷崎の世界も提示する。

はじめに 千葉俊二

1 物語の力
座談会 物語の力ー上海の谷崎潤一郎 千葉俊二×銭暁波×日高佳紀×秦剛
物語る力ー谷崎潤一郎の物語方法 千葉俊二
文学モデルとしての推理小説ー谷崎潤一郎の場合  アンヌ・バヤール=坂井

2 中国体験と物語
「お伽噺」としての谷崎文学ー「オリエンタリズム」批判再考 清水良典
陰翳礼讃の端緒としての「西湖の月」 山口政幸
十年一覚揚州夢ー谷崎潤一郎「鶴唳」論  林茜茜
「隠逸思想」に隠れる分身の物語ー『鶴唳』論  銭暁波
谷崎潤一郎と田漢ー書物・映画・翻訳を媒介とした出会いと交流  秦剛

3 物語の変容ー中国旅行前後
『嘆きの門』から『痴人の愛』へー谷崎潤一郎・中国旅行前後の都市表象の変容 日高佳紀
都市空間の物語ー横浜と『痴人の愛』  ルイーザ・ビエナーティ
「卍」の幾何学  スティーヴン・リジリー
『アラビアン・ナイト』から〈歌〉へー「蓼喰ふ蟲」の成立前後 細川光洋
放浪するプリンスたちと毀損された物語ー〈話の筋〉論争から「谷崎源氏」、そして村上春樹「海辺のカフカ」へ 西野厚志

4 可能性としての物語
谷崎潤一郎における異界憧憬 明里千章
谷崎文学における「盲目」と美学の変貌ー『春琴抄』を中心に 鄒波
表象空間としてのふるさとー谷崎が見た昭和初期の東京・『芸談』を視座として
フォッラコ・ガラ マリア
愛を分かち合うー『夢の浮橋』における非オイディプス
ジョルジョ・アミトラーノ
谷崎潤一郎『人魚の嘆き』の刊行について 田鎖数馬

あとがき 日高佳紀

特別寄稿
熱血青年から中国近代憲政思想と実践の先駆者へー宋教仁の東京歳月への一考察 徐静波

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 物語の力(座談会 物語の力ー上海の谷崎潤一郎/物語る力ー谷崎潤一郎の物語方法 ほか)/2 中国体験と物語(「お伽噺」としての谷崎文学ー「オリエンタリズム」批判再考/陰翳礼讃の端緒としての「西湖の月」 ほか)/3 物語の変容ー中国旅行前後(『嘆きの門』から『痴人の愛』へー谷崎潤一郎・中国旅行前後の都市表象の変容/都市空間の物語ー横浜と『痴人の愛』 ほか)/4 可能性としての物語(谷崎潤一郎における異界憧憬/谷崎文学における「盲目」と美学の変貌ー『春琴抄』を中心に ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
千葉俊二(チバシュンジ)
早稲田大学教育学部・総合科学学術院教授

銭暁波(センギョウハ)
東華大学外語学院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





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最終更新日  2018年03月03日 17時50分03秒



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