幸せな胸のいたみ

昨日昼頃から時間ができたので、家族で「ネオパーク」という動物園へ行ってきました。

私は基本的に動物園は苦手。

狭いオリや小屋の中に閉じこめられている動物たちは神経症のようにイライラと歩き回っていて、見ていると哀しくなってしまうのです。

でも、この「ネオパーク」では殆どの動物が、できるだけ自然に近い状態で飼育されているので、私も楽しむことができます。そこにいる動物たちも結構のんびりと、楽しげに見えます。

実はここ、末の息子が生まれた日もみんなでお弁当持って来た想い出の場所なのです。

～～～～～～～ここからは約５年前の思い出～～～～～～～～～～～～～～～～

私は出産予定日を２週間過ぎようという時で、「今日生まれなければ明日は病院か…」という崖っぷちの日でした。助産婦さんを呼んで自宅出産の予定だったので、病院へは行きたくなかったのです。

普通、予定日を２週間も過ぎた妊婦は車で１時間以上の所へは行かないだろうと思うのですが、何故かその日の朝の私には、すぐには生まれないという確信があったのです。今日行かなければ、赤ちゃんを迎えてから後、しばらくはいけないだろうと思うと、無性に「ネオパーク」の動物たちに会いたくなったのでした。

その日、お弁当を作って車で１時間あまりの道のりをドライブし、園内でも２時間ほど歩き回り、夕方帰宅。夕飯とお風呂を終えたところで産気づき、末の息子はジャスト・イン・タイムで無事生まれたのでした。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

家族パスを買えば、うちの場合一回で元は取れるし、一年中、制限無く利用できる…というわけで、昨日は今年いっぱい使える家族パスを買って入園。

しばらく来ていなかったので、大分模様替えされていましたが、やっぱり動物たちは基本的にのびのび。羽ばたくことのできる鳥たちは遙か上空にもネットが張られた広いエリアに放し飼いです。順路はその中を歩いていくので、幼い子達は自分より背の高いフラミンゴなどとにらめっこしながら歩いて行かなくてはなりません。末の息子はちょっと怖がって夫に抱っこされました。

しばらく行くと、大きなペリカンやコウノトリ、ダチョウなどのいる池があり、ラマの丘があり、コウモリが上空のネットにぶら下がっているところがあり…次々とおもしろい生き物が見られます。クジャクも羽を見せびらかしながら木の上にとまっています。

たくさんの動物たちを見たけれど、個人的に最も惹き付けられたのは、ヤマアラシでした。住みやすそうな小屋の中に、家族のような数匹の群れがいました。小さなヤマアラシが２匹。残りはみな大人の様です。最も小さなヤマアラシは母親と思われるヤマアラシの後を追って歩きます。母親も他の大きなヤマアラシたちが近づいてくると、その子をかばうような態度を取り、針を立てます。

でも、基本的にヤマアラシたちはのんのんと、ただ小屋の中をみんなであっちゃ行ったりこっちゃ行ったりするだけ。顔も皆穏やかで、きょとんとした可愛いおめめ。う～む、かわいい。

私は家族がどんどん歩いていくのも気づかず、５分ほども立ち止まって見入っていました。余りおもしろいので、走って子どもたちを呼び戻し、みんなで再び「ヤマアラシウォッチング」。

お母さんヤマアラシと子どもヤマアラシの様子をしばらく見ていたら、その内、お母さんヤマアラシが岩の上に登りました。子どもヤマアラシと他のヤマアラシたちは、おかまいなしであっちゃ行ったりこっちゃ行ったりを再開。

それを見たうちの次男坊が「あっ、お母さんヤマアラシ、いい加減一人になりたくて、岩の上に逃げてる。ドライブ行くときのお母さんと一緒だね。」

そうかぁ～。岩の上でお母さんヤマアラシも一人の時間を過ごしてるのね。ずっと子どもに追い回されて、ちょっとは一人になりたいのかもね。おもしろ～い。

その後もしばらくみんなでヤマアラシを見ていました。一人の時間をしばらく満喫したお母さんヤマアラシが岩から降りた頃に、飼育係のお姉さんがお野菜のエサを持ってきました。

あ～、「ネオパーク」最高。こんな風にだらだらとあっちこっちで動物を見て過ごすにはもってこいの場所です。たっぷり２時間は居たいな。家族パス券もあることだし、ヤマアラシに会いに、また来ようっと！