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ずんべらぼん@Australiaん♪

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chiru2421

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2006年05月14日
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カテゴリ:BOOK!ぶっく!book!
こちらのブログでは,本の紹介を主にしていますが,今まではエッセイとか占い本などの,娯楽本?しか紹介してなかった気がする・・・。

もちろんエッセイも占い本も好きだけど・・・いや,小説も読んでるんですよ,ちゃんと。

ってことで,今日のご本はこちらです。
アンボス・ムンドス
アンボス・ムンドス桐野夏生

桐野夏生さんの本にはまったのは,
Out
Out

がきっかけ。
映画にもなったこの本ですが,普通の主婦たちが,殺人に加担していくという,どこにでもいるような人が,落ちていく様を書くのが桐野さんはとてもうまい。

桐野さんの作品を読み始めると,その展開の面白さに夢中になり,ページを捲る手が止まらなくなる。
私はこういう小説を,個人的にジェットコースター小説上向き矢印と名づけ,愛読している。

桐野さんの小説を全て読んでいるわけではないけれど,彼女の作品の中でこれぞジェットコースター小説上向き矢印といえるものは,上で紹介したOutの他に,

ダークダーク       アイムソーリー、ママアイムソーリー、ママ

があります。
桐野さんの作品で当たり!と思ったのが,この3冊です。

他に,グロテスク魂萌え!も読みましたが,私的にはう~ん・・・って感じでした。
魂萌え!は,うちの親世代(50代後半)から上の年齢の方が読んだらいいんじゃないかな,と思います。登場人物の年齢設定がそんな感じなので。ちょっと感情移入しにくかったのです。
グロテスクは,ストーリー自体は面白いんだけど,1人称形式って言うんでしょうか,全て登場人物が一人で回想しながら語る感じで書かれていて,それが淡々としすぎていて,その語り形式に飽きました。なので,最後まで読まなかった作品です。
もしかしたら最後,すごい展開が待っていたのかしら?

桐野さんの作品には,人間に光と影,表と裏,明と暗の部分があるとしたら,影,裏,暗の部分が色濃く描かれている。
人の,普段は見せないの部分が,光を超えて色濃くなってしまうと,桐野さんの作品の中の登場人物の様に,普通の人が簡単に落ちていってしまうのではないだろうか。

そういう,
人間が誰しも持っていて,普段人には見せないの部分が物語の中で色濃くかかれているので,自分の中にあるの部分が共感して,読み始めるとはまってしまうのだと思う。

と,解説が長くなりましたが,アンボス・ムンドス
桐野さんの作品ではめずらしい短編集です。

7つの短編が入っていますが,私は最初の3編くらい読んだところで,やっと短編集だと気づきました(笑)。
桐野さんの小説では,全く環境の違う,全然関係ない人がいろいろ出てきて,最後に結びつくというのがよくあったので,今回もそのパターンだと思って読んでいたら,あっさり裏切られました。

短編集とはいえ,1編1編が濃い~作品ばかりで,どれも短編で終わってしまうのがもったいないものばかりでした。

「怪物たちの夜会」では,不倫をしている男女の,どうにもならなくなった最期の有様が描かれている。
私は不倫をしたことはないけれど,どうにもならなくなった心理状態に,思わず感情移入してしまった。
あまりにもリアルに書かれているので,もしかして桐野さん,不倫経験あり?と,いらぬ勘繰りをしてしまった。

そして表題にもなっている「アンボス☆ムンドス」

ストーリーは,若い女教師と不倫相手の教頭が,こっそり海外旅行に行った。二人はそこで,夢のような日々を過ごすのだが,帰国後待っていたのは生徒の死と非難の嵐だった・・・という,悲劇の話です。

アンボス・ムンドスって,どういう意味か知ってますか?

私も知らなかったのだけど,「両方の世界」という意味だそうです。
例えば,東西,表裏,左右,男女,明暗など。
これって,さっき言った桐野作品の特徴とリンクしている?!


短編集もなかなか面白かったですが,やっぱり物足りない感じなので,桐野作品は長編で読みたいと思います。

次は,直木賞受賞作なのにまだ読んでないこの作品,
柔らかな頬
柔らかな頬

を読んでみようと思っています。。。。









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Last updated  2006年05月18日 22時56分21秒
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