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cms@ebisu

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2006.03.17
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国立劇場にて。
チラシで惹かれた文句が二つあります。
一つは「平日の第二部は、お勤めの帰りでも観劇しやすい夜6時30分開演です」。
そして決め手は「市川右近、市川笑也、天馬にて宙乗り相勤め申し候」。
歌舞伎の夜の部が通常の舞台と同様の時間帯で観られるのは嬉しい限りです。国立劇場には一幕見が無いので、尚のこと。

「花形若手歌舞伎」とあります。市川猿之助一門の役者の中でも、いつも歌舞伎座ではなかなか観ることのない役者も多く出演していました。
さて、この”猿之助十八番の内”『當世流小栗判官』は、猿之助による初演は1983年とのこと。再演を繰り返し、今回は猿之助は演出のみで、一門の若手だけで上演されています。
宙乗りの芸も、猿之助の十八番だそうです。昨年から歌舞伎の宙乗りの芸を4つ観ましたが、さすがに十八番だけあってここでの宙乗りは一番見ごたえがありました。
白馬に小栗判官(右近)と照手姫(笑也)の二人が跨がり、その姿のまま白馬が天を駆けるのです。
馬の首も足も宙を飛んでいる時に動くので、壁に映し出された影が本物のようで・・・と見取れて拍手がおろそかになってくると、馬上で小栗判官が大きく揺れる仕草で墜ちそうになる照手姫を気遣う場面があり、観客の拍手を続けさせます。

余談ですが、白銀の美しい雪景色の中では、黒子も白子となって登場していました。美術の配慮なのでしょう。

視覚的な場面ばかり書き並べましたが、第二部は小栗判官を巡る悲しい三角関係、仕える家の恩が大事で娘の命を絶つ母の心情など、芝居としての見ごたえも十分です。
一部の続きが二部なのですが、時間の都合でどうしても二部が先になってしまう観客のために、最初に一部の筋を「乍憚口上(はばかりながらこうじょう)」の時に人間関係など説明してくれます。
右近の颯爽とした小栗判官が堪能できる作品です。

(国立劇場にて)





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最終更新日  2006.03.19 23:41:05
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