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今日も誰も出ないんじゃないかな。。。
でも、お昼時だから、出てくれるかもしれない。 呼び出し音が鳴り続け、そろそろ切ろうかというころ、 「はい!もしもし!」 久しぶりの、ひいじいちゃんの声だ。 「柿が届いたよ!ありがとうね!」(私) 「おう。CoCoか。」 その後も、いろんなことをしゃべってみたけど、やっぱり、こちらが言うことは聞き取れないらしい。 でも、無口なひいじいちゃんが、次々と、いろんなことを一生懸命に、しゃべってくれる。 電話は苦手だろうに、おそらく白内障で切ない目を、パチクリさせながら。 ・庭の柿の木は、今年も実が落ちてしまってダメだということ。 ・Yui(うちのチビ)が柿をほしがっているだろうから、 畑の柿の木をむしったのだということ。 ・大根葉は、ゆでて炒めてから、食べろ。 「はい! はい! じゃあな! 」 ガシャン! ・・・いつも通り、ひいじいちゃんがひとりでいっきにしゃべった後、 突然電話が切れる。 私は、もう、涙でグシャグシャだ。 柿の実をとるのに、あの腫れていた肩は、痛くなかっただろうか。 足は大丈夫だろうか。 山梨の田舎の家には、柿の木が、庭に3~4本、畑にも3本くらいある。 秋のおやつと言えば、柿。 子どもの頃、冬になると手足を霜焼けで腫れ上がらせた私に、祖母は、柿の葉っぱを煎じて、クスリを作ってくれた。 毎日毎日の作業で手間がかかっただろうけど、すごくよく効いた。 今年はついに実がならなかったという庭の柿の木には、よくよじ登って遊んだり、 そのうちの2本の上をまたがせて、祖父が作ってくれたブランコでは(ビールケースで出来ていた)、それこそ、毎日遊んだものだ。 「12月には、帰るから。」と言ったこの一言は、 ひいじの耳に、ちゃんときこえてくれただろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.11 00:10:57
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