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《櫻井ジャーナル》

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天下兼相愛則治、交相惡則亂(墨子、巻之四)
順天意者、義政也。反天意者、力政也。(墨子、巻之七)
天下有義則治、無義則亂。(墨子、巻之七)

天下は人々が相愛すれば治まり、互いに憎しみあえば乱れる
天意に従う者は義に従って正す。天意に背く者は強制する
天下に義があれば治まり、義がなければ乱れる

#1
『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』三一書房、2005年

OPC

三一書房創立60周年記念出版。アメリカの権力者が行なってきた戦後の秘密破壊工作(テロ活動)の実態を具体的に検証する。「読書人」「共同通信」など各誌賞賛。自分のいる足場に深淵がひらくような衝撃にみちる一冊。付録としてキューバ侵攻作戦の「機密文書」収録、秘密破壊工作に関する全事項と関係者をインデックス化。人物ダイヤグラムも多数。

#2 『アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る』洋泉社、2007年

イランの問題はイスラエルの問題と表裏一体の関係にある。イラン攻撃を狙うアメリカの新保守/神保守(親イスラエル派)は勢いを失ったが、消え去ったわけではない。イスラエルに軍事強硬派政権が存在し、プーチンにロシアから追い出されたエリツィン時代の「富豪」もロンドンとイスラエルを基盤に暗躍する。

2023.12.03
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 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は11月13日にアメリカを訪問、ホワイトハウスでジョー・バイデンと会談した。その際、ウィドドはバイデンに対し、ガザでの残虐行為を止めるため、アメリカは努力するように訴えたのだが、バイデンはそれを無視、相手を小馬鹿にした態度を示した。重要な気候の話をしたとして、「寒い」と口にしたと語ったのだ。





 ガザにはインドネシアの資金で建設された病院があるが、11月20日にイスラエル軍はその病院を砲撃、2階に命中し、12名以上が殺されたとされている。

 イスラエル軍はハマスの地下施設があるという口実で病院もターゲットにしてきた。アル・シファ病院も破壊された病院のひとつだが、​エルサレム・ポスト紙が11月14日に掲載した記事​などによると、​ハマスの地下司令部はそこから8.5キロメートル離れた場所にあった​。その情報を知りながら病院を破壊、患者や避難民を殺傷したのだ。

 イスラエル軍はガザでハマスと戦っているのではなく、イスラエル建国時と同じように、パレスチナ人を虐殺し、恐怖に駆られた人びとが逃げ出すように仕向けていると考えられている。それをわかっているエジプトは国境を開けず、ヨルダンも警戒している。イスラエルは「パレスチナ問題」をそうしたアラブ諸国へ押し付けようとしているとも言われている。





 本ブログでは繰り返し書いてきたが、「イスラエル建国」ではイギリスが重要な役割を果たした。その第一歩はイギリスの外相を務めていたアーサー・バルフォアが1917年11月2日にウォルター・ロスチャイルドへ出した書簡だが、建国の大きな目的のひとつはスエズ運河の安定的な支配だったと考えられている。

 ユーラシア大陸の周辺部を海軍力で支配、内陸国を締め上げるという戦略を成立させる上でスエズ運河は重要な意味を持った。運河によって地中海と紅海を感染が行き来できることはイギリス海軍にとってだけでなく、物資の輸送においても重要だった。イスラエルと同様、サウジアラビアもイギリスが作り上げた国だ。

 1920年代に入るとパレスチナでアラブ系住民の反発が強まり、デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルはパレスチナへ送り込む警官隊の創設するという案に賛成、アイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーを採用することになった。

 この組織はRIC(アイルランド王立警察)を支援、IRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立された。隊員の多くは第1次世界大戦に従軍した後に失業した元イギリス兵だ。違法な殺人、放火、略奪など残虐さで有名になった。イギリス政府はその働きを評価、パレスチナへ投入、そこでアイルランドと同じことを行うことになる。

 ドイツでナチスが実権を握ると、シオニストはドイツのユダヤ人に目を付ける。そしてシオニストはナチス政権との間でユダヤ系ドイツ人をパレスチナへ移住させることで合意した。「ハーバラ合意」だ。

 その後、イギリスの戦略はアメリカに引き継がれた。イスラエルはアメリカを拠点とする私的権力の利権を守る上で重要な存在になったということだ。それをバイデンは上院議員時代の1986年6月に議会で訴えている。





 そのスエズ運河は現在、エジプト領の中にある。そこでアカバ湾と地中海をつなぐ「ベン・グリオン運河」が計画された。その出口がガザの北側。また地中海の東部、エジプトからギリシャにかけての海域で天然ガスや石油が発見されていることも重要なファクターだ。

 1995年9月、イスラエルのイツァク・ラビン首相とPLOのヤセル・アラファト議長が「オスロ2合意(ヨルダン川西岸地区とガザ地区に関する暫定合意)」に調印、それによってパレスチナ自治政府に海岸から20海里までの海域の海洋管轄権を与えた。

 パレスチナ自治政府は1999年にブリティッシュ・ガスと25年間のガス探査契約を結ぶのだが、その年に大規模なガス田が発見された。ところがパレスチナ人はその天然ガスから何の利益も得ていない。その一方で、イスラエルは2007年以降、パレスチナ人に対する弾圧の度合いを格段に強める。そしてイスラエルはガザ沖の天然ガスの支配権を確立する。

 2010年、イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見したとノーブル・エナジーが発表。USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。ビル・クリントン元米大統領はノーブル・エナジーのロビイストだった。このエネルギー資源をキプロス経由でヨーロッパへ運ぶという計画がある。

 ノーブル・エナジーはヒラリー・クリントンに選挙資金を提供していた。そのヒラリーをジョージ・ソロスが操っていることは2016年に漏れた電子メールで明らかにされたが、そのソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている。

 ロシアは今年9月10日から13日にかけてウラジオストクでEEF(東方経済フォーラム)を開催したが、その直前の9月8日、ニューデリーでG20サミットが開かれた。その席上、インドのナレンドラ・モディ首相はIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトを発表している。

 IMECはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びるルート。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、アメリカがイスラエルにこの計画を持ちかけたという。この回廊は地中海につながるが、その出口がガザに接している。

 ロシアと中国は2015年、BRI(一帯一路)とユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結し、多極的な関係を築くと宣言しているが、この構想に対抗することがIMECの目的だ。

 インドは以前からイスラエルやサウジアラビアとの関係を強化、サウジアラビアもイスラエルに接近していた。アメリカの属国と化したヨーロッパを繋ぎ止めるため、ヨーロッパと西アジアをつなぐわけだ。その中核になるのがイスラエルにほかならない。

 アメリカ政府のエネルギー安全保障顧問を務めるアモス・ホクスタインは11月20日にイスラエルを訪問、ヒズボラの問題だけでなく、地中海東岸の天然ガス田について話し合ったと伝えれている。アメリカにはベン・グリオン運河計画やIMECプロジェクトもあり、ガザの状況がこうした利権を壊さないよう画策しているのだろうが、バイデン大統領はアメリカの私的権力の利権を守るためにはイスラエルを支えなければならないと考えている人物だ。

 バイデンが仕えるアメリカやイスラエルの支配層にとってガザのパレスチナ人は目障りな存在。そこでガザから彼らを消し去ろうとしてきたが、今回のガザ攻撃は特に酷い。







最終更新日  2023.12.03 00:00:12



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