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2020.01.07
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カテゴリ:カテゴリ未分類

 イラクのバグダッド空港はアメリカ軍が安全に責任を負っている。その空港でアメリカ軍はイランの要人を暗殺した。その要人とはイスラム革命防衛隊の特殊部隊とも言われているコッズ軍を指揮してきたガーセム・ソレイマーニーだ。この暗殺によってイランでアメリカに対する怒りが噴出しているが、それだけでなく、イラクでもアメリカへの反発が高まっている。

 その暗殺でイスラエルの果たした役割とサウジアラビアのイランとの関係修復の動きが話題になっている。

 ソレイマーニーと一緒にPMU(人民動員軍)のアブ・マフディ・ムハンディ副司令官も殺された。そのPMUの施設をアメリカ軍は12月29日に空爆、25名以上の戦闘員を殺したと伝えられているが、この攻撃にもイスラエルが関与していたと言われている。

 アメリカやイスラエルがPMUを憎悪する理由のひとつは、この2カ国が手先として使ってきたダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)を殲滅する上で重要な役割を果たしたからだという。

 今回の暗殺でサウジアラビアも注目されている。その切っ掛けはイラク首相のアディル・アブドゥル-マフディの発言。昨年の10月上旬にサウジアラビアはイランと緊張緩和について話し合うことをイラク首相に約束しているが、そのサウジアラビアからの申し出に対する回答をソレイマーニーは持ってイラクを訪問したというのだ。中東の緊張緩和をアメリカとイスラエルは嫌ったということになる。

 サウジアラビアはアメリカやイスラエルと手を組み、新自由主義的な経済政策を推進、シリアやリビアへの侵略を支援、イエメンへ軍事侵攻してきた。そうした政策の中心にはモハメド・ビン・サルマン皇太子がいたのだが、そうした政策はことごとく失敗、サウジアラビアを苦境に追い込んだ。そこで皇太子は父親である国王のサルマン・ビン・アブドラジズ・アル・サウドからの信頼も失ったと言われている。

 そのサルマン国王が最も信頼していた警護責任者のアブドル・アジズ・アル・ファガム少将が9月28日に射殺された。ジェッダにある友人の家で個人的な諍いから殺されたとされているが、宮殿で殺されたとする情報がある。その殺害に皇太子が関係していたとしても不思議ではない。イランとの関係修復にサウジアラビアが動いたということは、皇太子の力が衰えたことを意味するのだろうが、そうなるとアメリカ政府やイスラエル政府にとっては好ましくない展開だ。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカの親イスラエル派に属すネオコンは1980年代からイラク、シリア、イランを制圧する計画を持っていた。まずイラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル体制を築き、トルコ、イラク、ヨルダンの親イスラエル国帯でシリアとイランを分断、その上で両国を破壊するというものだった。

 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、ネオコンの中心グループを形成するひとりのポール・ウォルフォウィッツは、1991年の段階でイラク、シリア、イランを殲滅すると語っている。(​3月​、​10月​)

 イスラエルに中東全域を制圧させようというわけだが、それが実現できればイスラエルが中東のエネルギー資源を握ることになる。必然的にイスラエルは圧倒的な支配力を手に入れることになるが、そうした野望は崩れ、ウォルフォウィッツの世界制覇プランは破綻した。アメリカ政治の表舞台で主役を演じてきた民主党と共和党の芝居は幕が下り始めている。







最終更新日  2020.01.07 03:50:13
2020.01.06
カテゴリ:カテゴリ未分類

 イラク議会は1月5日、イラク国内に駐留している外国の軍隊は国外へ出るように求める決議を採択した。アメリカ軍やその同盟国の軍隊は出て行けということだ。

 これはイラク国内で言われてきたことだが、イラクを公式訪問したコッズ軍のガーセム・ソレイマーニー司令官をアメリカ軍が空港で暗殺したことで議会の決議になったと言える。空港の安全を守ることはアメリカ軍に課せられた義務だった。

 2006年5月から14年9月までイラクの首相を務めたノウリ・アル・マリキもアメリカを批判しつづけてきた。

 マリキ政権は遅くとも2011年の段階でジハード傭兵の動きを懸念、アメリカ政府に対してF-16戦闘機を供給するように要請し、契約している。ところが戦闘機は納入されず、新たな支援要請も断られてしまう。ヘリコプターの部品なども手に入らなくなったという。

 そこでマリキ政権は2013年6月、ロシアに支援を要請して受け入れられ、数日のうちに5機のSu-25近接航空支援機がイラクへ運び込まれた。

 その2013年にマリキはアメリカから、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の部隊がシリアとイラクの国境沿いに集結していることを示す航空写真などの情報を示されたとしている。

 その年にアメリカの政府や有力メディアはシリアが化学兵器を使ったと宣伝している。前年、つまり2012年8月にバラク・オバマ大統領は、シリアに対する直接的な直接的な軍事介入のレッド・ラインを生物化学兵器の使用だとしていたが、同じ月にアメリカ軍の情報機関DIAはオバマ政権にとって都合の悪い事実を報告している。

 リビアでアメリカ/NATO軍がアル・カイダ系武装集団と連携、その武装集団がムアンマル・アル・カダフィ体制を崩壊させた後、NATO軍は戦闘員と武器/兵器をシリアへ移動させていた。

 そうした報道に対し、オバマ大統領は「穏健派」を支援しているのだと主張していたが、​DIAはサラフィ主義者やムスリム同胞団が反シリア政府軍の主力だと指摘していた​。その反政府軍としてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだと指摘されていた)だともしていた。

 アメリカ政府は2013年にリビアと同じように軍事介入する予定で、その口実に化学兵器話を使おうとしたのだが、化学兵器を使用したのは、そうした反政府軍だとする調査報告も相次いだ。

 2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月に攻勢をかける。この際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されて名前は世界に売られた。

 2013年の段階でアメリカ側はシリアとイラクの国境沿いに武装集団が集結していることを把握していたわけで、14年の動きも知っていたはず。何しろ、アメリカの情報機関や軍は衛星や航空機による偵察、通信傍受、人間による情報活動などで常に情報を収集し、分析している。

 こうした展開になることを2012年の段階でDIAから警告されていたオバマ政権がダーイッシュを攻撃するはずはなかったとも言える。その当時、DIA局長だったマイケル・フリン中将が言っていたように、ダーイッシュによるシリア東部からイラク西部にかけての地域の占領はオバマ政権の政策だった。

 2014年4月にはイラクで議会選挙があり、マリキを党首とする法治国家連合が勝利したが、マリキは選挙前の3月、反政府勢力へ資金を提供しているとしてサウジアラビアやカタールを批判、その一方でロシアへ接近していた。

 通常ならマリキが首相を続けたはずだが、アメリカはこの人物を好ましくないと判断したようで、首相選定に介入する。マリキは外され、ハイデル・アル・アバディが選ばれた。

 ところが、アバディになってもアメリカに対する批判はイラクから消えない。そうした反米感情を恫喝で抑え込んできたのがアメリカだが、ソレイマーニーの暗殺でアメリカはレッド・ラインを超えてしまった可能性がある。

 






最終更新日  2020.01.06 13:56:37
2020.01.05
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 アメリカのNSC(国家安全保障会議)でオフィサーだったひとりの人物が去った。イランの大量破壊兵器への対抗策を担当していたというリチャード・ゴールドバーグだ。ゴールドバーグがNSCを辞任したのは、ドナルド・トランプ政権の内部でも批判が高まったからだという。イランのコッズ軍を指揮してきたガーセム・ソレイマーニーを暗殺するという無謀な行為と無関係ではないだろう。








 この人物をNSCへ引き込んだのは国家安全保障補佐官だったジョン・ボルトンで、元々はイスラエルや親イスラエル派の好戦的な人びとが2001年に設立したFDD(民主義防衛財団)で上級顧問を務めていた。

 FDDの母体になったとされているのがEMET(ヘブライ語で「真実」を意味する)というシンクタンク。この団体を考えたのひとりはエドガー・ブロンフマン。ベア・スターンズでジェフリー・エプスタインの顧客だった人物で、イスラエルの情報機関と関係が深いと言われている。

 FDDやEMETの主要スポンサーのひとりがシェルドン・アデルソン。アメリカのラス・ベガスとペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営、日本にもカジノを作らせるように要求していた人物で、アメリカのドナルド・トランプ大統領へ多額の献金をしていたほか、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいことでも知られている。

 EMETやFDDはその凶暴性からイスラエルや親イスラエル派の中でも批判されているようだが、その背後にはメガ・グループというイスラエル系の団体が存在している。このグループはイスラエルの情報機関に大きな影響力を持つという。

 メガ・グループは1991年に創設されたが、創設者のひとりはチャールズ・ブロンフマン。エドガーの弟で、エドガーもこのグループの幹部だった。

 この兄弟は酒造で有名なブロンフマン家に属し、父親はサミュエル・ブロンフマン。この人物はエプスタインと同じように、有力者のスキャンダルを調べ上げ、あるいは作り上げ、その弱みを利用して操っていたと言われている。







最終更新日  2020.01.05 12:42:52
2020.01.04
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 アメリカ軍はイスラム革命防衛隊のコッズ軍を指揮してきたガーセム・ソレイマーニーとPMU(人民動員軍)のアブ・マフディ・ムハンディ副司令官を暗殺した後、PMUの幹部が乗った車列を空爆して6名を殺害したと伝えられている。

 シリアの東部からイラクの西部にかけて、つまりダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が一時期支配していた地域にアメリカは軍隊を配備し、ジハード傭兵の部隊を再編していた。そうしたジハード傭兵を殲滅したのがPMUだ。

 一連の攻撃の背後にはイスラエルの意思があると言われているが、イラクで1960年代からイスラエルの手先として活動してきたのはバルザニ親子が率いてきたクルドの一派。父親のムスタファはイスラエルの情報機関モサドのオフィサーだったと言われている。その息子がマスードだ。

 2003年にアメリカはイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒したが、その後に親イスラエル派の体制を築くことに失敗した。今の政権は親イラン派だ。

 そこで2007年までにジョージ・W・ブッシュ政権はフセインを支えていた軍人と再び手を組む。ダーイッシュにはそうした軍人が合流したと言われている。

 また、かつてはマルクス主義の影響を受けたイランの武装組織だったムジャヒディン・ハルク(MEKまたはMKO)はイスラム革命後に力を失ってイラクへ逃れ、それまでのイデオロギーを放棄してカルト化してアメリカやイスラエルの影響下に入ったと言われている。アメリカがこの組織を「テロリスト」のリストから外したのはそのためである。

 そうした勢力をアメリカは使っているが、そうした作戦の前に立ちはだかってきたのがPMUと言えるだろう。PMUが新たなヒズボラになることを恐れているとも言われている。

 ソレイマーニーを暗殺したかったのはイスラエルだろうが、アメリカ軍が代行した。その結果、軍事的な緊張が高まっているわけだが、それに対処するためにアメリカ軍は緊急展開部隊の第82空挺師団から750名をイラクへ派遣、さらに3000名を増派すると言われている。

 全面戦争の可能性は小さいと言われているものの、アメリカに対してイランが何らかの報復をすることは予想されている。ただ、予想外の展開になることは珍しくない。







最終更新日  2020.01.04 10:03:10
2020.01.03
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 イスラム革命防衛隊の特殊部隊とも言われているコッズ軍を指揮してきたガーセム・ソレイマーニーが1月3日の早朝、バグダッドの空港でアメリカ軍に暗殺された。UAV(無人機、ドローン)による攻撃だったようだ。ソレイマーニーは使節団の一員として到着したところで、PMU(人民動員軍)のアブ・マフディ・ムハンディ副司令官も殺されたと伝えられている。死亡したのはこの2名を含む7名だという。イラク軍の司令官2名をアメリカの海兵隊が拘束したとも伝えられている。

 この攻撃は事実上アメリカによるイランへの宣戦布告だと見る人もいるが、バグダッドではアメリカ軍による拘束が続いているとも言われ、クーデターが進行中のようにも見える。

 アメリカ軍は12月29日にPMU(人民動員軍)の施設5カ所を空爆して25名以上の戦闘員を殺害、バグダッドにあるアメリカ大使館の周囲で数千人が抗議活動を繰り広げるという事態が生じたものの、すでに引き上げている。大使館周辺での混乱、あるいは襲撃を利用してアメリカは何らかのアクションを起こそうとした可能性があるが、それは失敗に終わったとも言える。

 イランに対する攻撃は大義がなく無謀だということでアメリカ軍の内部では反対の声が少なくない。本ブログでは繰り返し指摘してきたが、中央軍やNATO軍は「関東軍」化している。イスラエル、あるいはイスラエルの背後にいる勢力の意向に従い、強引にイランとの戦争に突入する気かもしれない。

 昨年(2019年)7月にイスラエル軍はF-35でイラク領内の施設を破壊した。その際、イラク、あるいはシリアにあるアメリカ軍の基地が利用され、そのターゲットはイスラム革命防衛隊に関係していると言われている。







最終更新日  2020.01.03 15:29:30
2020.01.02
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 2020年代に入った。ドルを基軸通貨とするアメリカ中心の世界秩序は2030年まで持たないのではないかと推測する声を聞くが、その推測が正しいなら、残された時間は10年を切ったということになる。その前に自分たちにとって都合の良いタイミングで潰す可能性もある。

 1980年代からアメリカは製造業を国外へ出す一方、企業を解体して切り売りしてきた。帳簿に書き込まれる数字のために生産手段を捨て去ったとも言える。その数字を投機市場という仕組みの中で動かすことで膨らませていくが、これは幻影にすぎない。こうした金融マジックを教義とする信仰を新自由主義と呼ぶ。

 その金融マジックで世界に君臨してきたアメリカは、言うまでもなく、大きな問題を抱えている。生産能力がなくなっているのだ。公教育の破綻はアメリカの再建を困難にしている。支配層は新たな宿主を探しているのだろうが、大多数の庶民は破綻国家へ捨て去られることになりかねない。

 アメリカの支配層が的を絞っている相手はロシアと中国だろう。両国の支配は遅くとも20世紀初頭から始まるアングロ・サクソンの長期戦略でもある。この戦略に基づいている私的権力がロシアや中国との平和共存を受け入れるとは思えない。

 1991年12月にソ連を消滅させることにアングロ・サクソンは成功、20世紀の間はロシアでの略奪によって大儲けできた。ソ連消滅とロシアの属国化を前提として、ドル体制後のシステムも考えていただろうが、そのプランは21世紀に入って崩れ去る。ロシアが曲がりなりにも再独立に成功したからだ。

 経済面ではドルが基軸通貨だということを利用して攻撃を続けるだろうが、軍事的にはNATOを使うようだ。アメリカ軍の内部には新自由主義に反発する声もあり、むしろNATOや中東を担当する中央軍の方が利用しやすい。NATOの「関東軍化」とも言えるだろう。

 そのNATOは支配地域を東部へ拡大してロシアとの国境線に到達、南では中東から北アフリカへ活動範囲を広げ、さらに太平洋へ出てオーストラリア、インド、日本と結びつこうとしていると言われている。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、日本の支配層は自国軍をイギリスの傭兵部隊にすることで自分たちの地位を維持し、富を膨らませてきた。侵略の手先として動きながら私腹を肥やしてきたのだ。

 途中、従属相手はイギリスからアメリカへ交代したが、中身に大差はない。これが天皇制官僚体制であり、明治維新から現在に至るまで続く基本構造だ。

 アングロ・サクソンがヘゲモニーを失ったなら、明治体制も崩れる。日本の国土や住民がどうなろうと、明治体制で甘い汁を吸い続けてきた人びとはアングロ・サクソンのために尽くすことになるのだろう。







最終更新日  2020.01.02 15:42:44
2020.01.01
カテゴリ:カテゴリ未分類

 イラク軍の指揮下にあるPMU(人民動員軍)の部隊がアメリカ軍に攻撃され、戦闘員25名以上が殺されたことを受け、バグダッドにあるアメリカ大使館の周囲で数千人が抗議活動を繰り広げていると伝えられている。

 アメリカ大使館がある場所は警備の厳しい通称「グリーン・ゾーン」にある。大使館員は避難、アメリカ軍の「危機対応特別目的海兵空地任務部隊」がクウェートから派遣されたようだ。

 抗議のために集まった人の中にはPMUの隊員も含まれてとする話も流れているが、イラク国民がアメリカに良い感情を持っていないことは確かだろう。イラク政府も同じだ。2006年5月から14年9月までイラクの首相を務めたノウリ・アル・マリキもそうしたひとり。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の創設でバラク・オバマが重要な役割を果たしたとマリキは2019年2月24日にイラクの地方局で語っている。

 マリキによると、2013年に反シリア政府軍の部隊がシリアとイラクの国境沿いに集結していることを示す航空写真などの情報をアメリカは示していたという。当然のことながら、アメリカ軍はそうした武装勢力の動きを監視していたわけだ。

 本ブログでは何度も書いてきたが、アメリカのバラク・オバマ大統領は2010年8月にPSD-11を出し、ムスリム同胞団を手先に使って中東から北アフリカにかけての地域を制圧しようとした。そして「アラブの春」が始まる。

 その段階でマリキ政権はジハード傭兵、つまりムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とする武装勢力の動きを懸念、アメリカ政府に対してF-16戦闘機を供給するように要請、契約した。

 マリキはF-16でオバマ政権が手先にしているジハード傭兵を攻撃しようとしていたわけで、契約は守られなかった。新たな支援要請も断られ、ヘリコプターの部品なども手に入らなくなる。

 2011年10月にリビアでアメリカ/NATO軍と手先のアル・カイダ系武装勢力はムアンマル・アル・カダフィ体制を崩壊させ、カダフィ自身を惨殺、その後に戦闘員と武器/兵器をシリアへ移動させた。戦力をシリアへ集中させたわけだ。

 そうした行為の危険性をホワイトハウスに警告したのがアメリカ軍の情報機関DIAだった。その時のDIA局長がマイケル・フリン中将である。

 DIAが提出した報告書には、​シリアで政府軍と戦っている武装勢力の中心がサラフィ主義者やムスリム同胞団だと指摘されていた​。つまり「穏健派」ではない。アル・カイダ系とされるアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の存在も記述されている。ちなみにアル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。

 そうした警告を無視する形でオバマ政権はシリアの「過激派」を支援、懸念されたようにシリア東部からイラク西部にかけての地域がダーイッシュによって支配されるようになる。

 2015年8月、アル・ジャジーラの番組でダーイッシュの勢力を拡大させた責任を問われたフリンは自分たちの任務は正確な情報を提出することにあると反論、​その情報に基づいて政策を決定するのはバラク・オバマ大統領の役目​だと指摘した。

 アメリカがジハード傭兵を編成、戦力を増強していることを理解していたマリキ政権は2013年6月、ロシアに支援を要請して受け入れられた。数日のうちに5機のSu-25近接航空支援機がイラクへ運び込まれている。素早い対応だった。

 2014年にダーイッシュが売り出された。その年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはモスルが制圧された。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その様子は撮影され、世界に配信された。

 その間、​2014年3月にマリキ首相はサウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると批判​していたが、その背後にはアメリカがいただろう。ジハード傭兵の動きをアメリカの情報機関や軍は衛星や航空機による偵察、通信傍受、古典的な人間による情報収集などでダーイッシュの動きを把握していたはずで、ダーイッシュのパレードは絶好の攻撃目標。ところがアメリカ軍は動かなかった。ジハード傭兵の危険性を警告していたフリンはその年に退役へ追い込まれている。

 ダーイッシュが速いペースで支配地域を拡大できた一因として、一部のイラク軍幹部が戦闘を回避したことが挙げられている。武器/兵器を置いて逃げたのである。マリキ首相もそのように認識していたようで、何人かの将軍を解任した。

 2014年4月に行われた議会選挙ではそのマリキを党首とする法治国家連合が勝利した。通常ならマリキが首相を続けたはずだったが、フアード・マアスーム大統領はハイダル・アル・アバディを指名した。アメリカ政府の意向だと言われている。アメリカ政府はイギリスのマンチェスター大学で博士号を取得したアバディをコントロールできる人物だと見ていたのだろう。

 2015年にオバマ政権は国防長官や統合参謀本部議長を交代させ、好戦シフトをとる。リビアと同じようにNATO軍の航空機とジハード傭兵の地上部隊が連携してシリアに対する本格的な軍事侵略を始めるという雰囲気が出てきた9月30日、ロシア軍がシリア政府の要請で介入、ジハード傭兵の支配地域は急速に縮小していく。

 こうした展開を見たイラク政府はロシア政府に対し、​シリアで行っているような空爆をイラクでも実施するように求めるかもしれないという報道​もあった。

 アメリカの支配層はイラクでも従属度が高いとみられる人物を首相の座に据えてきたが、思惑通りには進んでいない。似たことはイランでも行われて失敗している。

 フセインを排除して親イスラエル派の体制を樹立しようとして親イラン政権を出現させ、その親イラン政権を潰すためにフセイン派の残党と手を組んだのだが、混乱が収まる気配は感じられない。親イスラエル派体制を樹立するというプランを放棄し、シリア、イラク、イランを含むイスラエル以外の中東全域を「石器時代」にしようとしているのかもしれない。







最終更新日  2020.01.01 14:21:34
2019.12.31
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 イラク軍の指揮下で活動しているPMU(人民動員軍)の施設をアメリカ軍が12月29日に空爆した目的はシリア東部からイラク西部にかけての地域をアメリカ軍が支配し続けることにあるのだろうが、それはシリア、イラク、イランを分断し、殲滅するというネオコンの戦略に合致している。

 イラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル派の体制を樹立、シリアとイランを分断した上で両国を殲滅するという戦略をネオコンは遅くとも1980年代には立てていた。そこで、フセインをペルシャ湾岸産油国の防波堤と位置づけていたジョージ・H・W・ブッシュやジェームズ・ベイカーと対立、イラン・コントラ事件やイラクゲートが露見する一因になっている。

 ソ連が消滅する直前、ネオコンの中心メンバーのひとりであるポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしたという。これは欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の元最高司令官、ウェズリー・クラークが語っている。(​ココ​や​ココ​)

 ソ連が消滅した直後、国防次官だったウォルフォウィッツは国防総省のDPG草案という形で1992年2月、この3カ国殲滅を含む世界制覇プランを作成している。そのベースを考えたのは国防総省内部のシンクタンクONA(ネット評価室)で室長を務めていたアンドリュー・マーシャルだが、執筆の中心がウォルフォウィッツだったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」と呼ばれている。

 ソ連が消滅したことでアメリカが「唯一の超大国」になったと認識、ネオコンは誰にも遠慮することなく単独で行動できると考え、国連も無視するようになった。国連中心主義を打ち出していた細川護熙政権が潰された背景でもある。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンはアメリカが世界の覇者になったという前提で、残された従属度の足りない国や潜在的ライバルを破壊し、力の源泉でもあるエネルギー資源を支配するという作業に取りかかる。そのドクトリンに基づいてナイ・レポート(東アジア戦略報告)が押しつけられ、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。

 クラークによると、2001年9月11日の攻撃から6週間ほど後にアメリカの国防総省ではシリア、イラク、イランに加えてレバノン、リビア、ソマリア、スーダンを殲滅する計画を立てている。レバノンはイスラエルにとって戦略的に重要な国であり、リビアはアフリカ支配の要。ソマリアは交通の要衝であると同時に資源国でもある。スーダンも資源が注目されていた。

 すでにロシアが曲がりなりにも再独立に成功したことでウォルフォウィッツ・ドクトリンは破綻しているのだが、予定通りに世界制覇を実現したい勢力はロシアを再び属国にしようと必死。それによってアメリカの支配層は自らの立場をさらに悪くしている。

 支配層はカネ儲けが大好きだが、目先のカネ儲けだけのために動いているわけではない。チェスにしろ、将棋にしろ、囲碁にしろ、初心者は目先の駒や石に囚われるが、そういう人は勝負に勝てない。長期戦略や中期戦略に基づいての短期戦略であり、目先のカネ儲けだ。

 遅くとも20世紀の初頭からアングロ・サクソンの支配者たちは世界を支配するため、ロシアを制圧する必要があると考えていた。そのために東ヨーロッパを支配しようとする。これが彼らの長期戦略。

 そこで制海権を握っていたイギリスはユーラシア大陸の周辺部分(内部三日月地帯)を支配し、内陸国を締め上げていくという戦略を打ち出した。その三日月地帯の上にイギリスはサウジアラビアとイスラエルを作り上げている。東端に位置している国は日本だ。

 この長期戦略はその後も継続され、ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。今もその戦略を放棄していない。

 対抗上、内陸国は鉄道を建設してきた。シベリア横断鉄道はそうした目的で建設されている。現在、中国が一帯一路を打ち出し、ロシアが鉄道、道路、そしてパイプラインを建設している理由もそこにある。

 非ネオコン系のシオニストは「大イスラエル」を目論んでいるが、これは内部三日月地帯を寸断する可能性のあるシリア、イラク、イランの連携を殲滅するというネオコンの考えと矛盾しない。

 もし、2020年にドナルド・トランプがこうした長期戦略に反する政策を強行しようとしたなら、それは命がけになる。







最終更新日  2019.12.31 18:11:18
2019.12.30
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 イラク政府の下で活動している義勇軍の基地をアメリカ軍が12月29日に空爆、死傷者が出ている。この義勇軍はPMU(人民動員軍)に所属、その施設5カ所がターゲットになった。そのうち3カ所はイラク、2カ所はシリアにある。当初、UAV(無人機、ドローン)で攻撃された模様と伝えられたが、F-15戦闘機が使われたようだ。

 この攻撃について​アメリカの国防総省は27日にキルクーク郊外にある軍事基地へミサイル攻撃したことへの報復だとしている​が、27日の攻撃を実行したと名乗り出た組織は存在しない。

 本ブログでも繰り返し書いてきたが、アメリカ軍はシリア東部からイラク西部にかけての油断地帯を占領、シリアで敗走したジハード傭兵をそこへ集めて戦闘集団を再編成していると言われている。

 その地域は2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で介入するまでサラフィー主義者を主戦力とする武装集団のダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)に支配されていた。

 ダーイッシュは2014年に売り出されたが、その出現は​2012年8月の段階でアメリカ軍の情報機関DIAによって警告​されていた。

 その報告書はシリアで政府軍と戦っている主力をサラフィ主義者やムスリム同胞団だとし、戦闘集団としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げていた。そうした武装勢力をバラク・オバマ政権は支援、それを危険だと警告したのだ。そうした報告を受けた上でオバマ大統領は反シリア政府軍への支援を続けた。

 ダーイッシュの戦力が2014年に急拡大した一因はサダム・フセイン時代のイラク軍将兵が合流したからだとも言われている。ネオコンの作戦に従い、2003年3月にアメリカ軍は属国軍を引き連れてイラクを先制攻撃してフセイン体制を破壊したのだが、その結果、親イラン派が実権を握った。親イスラエル派の体制を築こうとしたネオコンの思惑は外れたのである。

 そこで2007年頃までにアメリカの支配層は方針を転換する。​ジョージ・W・ブッシュ政権はシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを最大の敵だと定め​、スンニ派と手を組むことにし、スンニ派であるフセイン体制の残党と手を組んだとされている。

 その流れを受け、オバマ大統領は2010年8月にPSD-11を出し、ムスリム同胞団を使って中東から北アフリカにかけての地域を制圧しようとした。そして始まったのがムスリム同胞団を中心に繰り広げられた「アラブの春」だ。これは地域に破壊と殺戮をもたらしている。

 そうしたアメリカの作戦に抵抗している勢力のひとつがPMUだ。







最終更新日  2019.12.30 13:37:07
2019.12.29
カテゴリ:カテゴリ未分類

 リビアは2011年にNATOの空爆とアル・カイダ系武装集団の地上攻撃によって破壊された。ムアンマル・アル・カダフィ時代にはヨーロッパ諸国より生活水準の高く、教育、医療、電力料金は無料で、農業は元手なしで始めることができる国だったが、今は暴力が支配する破綻国家だ。

 その破綻国家を統治する組織と国連が認めているのはファイズ・サラージをリビア大統領評議会議長とするトリポリのGNA(国民合意政府)だが、ハリファ・ハフタルのLNA(リビア民族軍)がGNAを凌駕する力を持ちつつある。

 ハフタルはCIAが1960年から保護していた人物で、彼に従う武装グループはアメリカで軍事訓練を受けていた。そのハフタルの勢力は今年に入ってからムスリム同胞団を殲滅するという看板を掲げて戦っている。

 ムスリム同胞団は歴史的にイギリスとの関係が深い。1948年にエジプトの首相を暗殺した後、創設者のハッサン・アル・バンナが殺され、メンバーの大半が逮捕されて組織は壊滅状態になった。それを1951年に復活させたのがCIAとMI6だ。

 エジプトは1952年7月にクーデターで王制から共和制へ移行し、ガマール・アブデル・ナセルをはじめとする自由将校団が実権を握ったが、その背後にはムスリム同胞団がいたと言われている。

 アメリカは自由将校団を使ってコミュニストを押さえ込もうとしたようだが、イギリスはクーデター政権を倒そうとする。アメリカとイギリスとの間で対立が生じたわけだ。その際、アメリカはナチス親衛隊の幹部だった人物や数百名の元ゲシュタポを治安対策のため、エジプトへ送り込んだ。

 そうした中、1954年にムスリム同胞団はナセル暗殺を試みて失敗し、逮捕を免れた同胞団のメンバーは国外へ脱出する。その多くはサウジアラビアへ逃げ込んだ。この暗殺計画の黒幕はイギリスだとみられている。

 バラク・オバマ大統領は2010年8月、中東や北アフリカを侵略するために自国が主導する軍隊ではなく、ムスリム同胞団をはじめとするジハード傭兵を使うことにした。

 エジプトもムスリム同胞団によって一時期支配された。その体制を転覆させたのがアブドル・ファターフ・ア・シーシー。現在の大統領だ。このシーシーは10月23日と24日にロシアのソチで開かれたロシア・アフリカ首脳経済フォーラムでロシアのウラジミル・プーチン大統領と共同議長を務めている。ロシアとエジプトは接近しているのだ。

 ハフタルのLNAを支援するため、そのエジプトがF-16戦闘機でトリポリやミスラタを空爆しているとする情報が出てきた。​捕虜になったLNAの空軍幹部​がそう話しているのだ。その幹部によると、フランスの専門家チームが偵察、通信傍受、兵站活動を指揮しているともいう。

 それに対し、トルコがGNAを支援するため、軍隊をリビアへ派遣するという話が出てきた。リビアのカダフィ体制を崩壊させた後、侵略勢力は戦闘員と武器/兵器をシリアへ運んだ。当時、侵略勢力の中にはトルコも含まれていた。そのトルコがシリアから戦闘員と武器/兵器をリビアへ戻すのではないかとも言われている。







最終更新日  2019.12.29 12:15:54

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