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《櫻井ジャーナル》

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2013.07.26
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 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉に入るため、鶴岡公二首席交渉官が秘密保持契約の書面に署名、安倍晋三政権は日本の主権を放棄する作業を本格化させた。社会のあり方を決める重大な交渉を一部の人びと、つまり巨大な多国籍企業や富裕層の代理人が謀議で決めることに同意したわけで、そこにTPPの反民主主義的な性格が明確に表れている。

 TPPの交渉内容/実態が秘密にされている理由は、言うまでもなく、庶民に知られるたなら反対されると推進派は見通しているからだ。これまでアメリカ政府が推進してきた経済政策、あるいはTPPに関する漏洩情報から判断すると、多国籍企業の投資(経済支配)にとって障害になる政策や規制は禁止される。

 資金がどこに集まり、誰が情報を管理しているかを見れば、権力のありかを推測することができる。日本のマスコミは「社会保障費云々」という宣伝をしているが、巨大企業に資金は滞留し、そこに食いついている人びと、例えば大株主、その会社の経営者、天下りが約束されている官僚、企業の代理人として働く政治家に富は蓄積されている。公的な情報は官僚が支配、大企業の情報開示も進んでいない。つまり、こうしたグループが権力を握っている。

 アメリカでも情報支配は進んでいる。日本と違い、アメリカでは内部告発者が何人も出ているが、弾圧は厳しくなっている。例えば、CIAが拷問を行っていると告発した元CIAオフィサー、ジョン・キリアクーは懲役30カ月が言い渡され、ウィキリークスに情報を提供したとされているブラドリー・マニング特技兵は逮捕され、過酷な扱いを受けてきた。

 新たな内部告発者として登場したエドワード・スノーデンは、NSAの監視プログラムに関する情報を明らかにしたのだが、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジのケースと同様、スノーデンをアメリカ政府は執拗に追いかけ、各国政府に圧力をかけて追い詰めようとしている。

 そして、ポルトガル、スペイン、フランス、イタリアといったヨーロッパの国々はアメリカの圧力に屈し、スノーデンの亡命を認めているボリビアの大統領機を強制着陸させた。現在、スノーデンはモスクワの飛行場にいるが、ロシア政府は今のところ、そうした圧力をはねつけ、スノーデンをアメリカへ引き渡すことを拒否、亡命を容認する姿勢を見せている。

 そもそも情報の開示に消極的な日本の支配層だが、秋の臨時国会には「国家機密漏洩を防ぐ」という名目で「秘密保全法案」が提出されるという。

 支配層にとって都合の悪い情報を隠すということで、この法案が成立すればTPPの内容、原発の事故状況、遺伝子組み換え作物の問題、アメリカなどによる侵略行為や破壊工作等々、「日米同盟」にとって都合の悪い話を掘り起こすことは犯罪と見なされる可能性がある。勿論、内部告発は厳罰に処すことになるだろう。

 そうした「秘密保全」を先取りする形で、日本のマスコミはプロパガンダ色をさらに強めるのだろう。そういえば、マスコミが急速に劣化し始めるのは1980年代の半ば、「スパイ防止法案」が提案された頃からだ。1987年5月には朝日新聞阪神支局が襲われ、ひとりが殺され、ひとりが重傷を負わされている。昔から日本のマスコミは「大本営発表」を続けてきたことは確かだが、その前と後では様相が一変した。

 第2次世界大戦後、マスコミは戦争責任を問われなかった。その「成功体験」が権力者へ安易にすり寄る一因になっているかもしれない。






最終更新日  2013.07.26 17:52:18



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