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ロシア政府はアメリカ主導軍によるシリア政府軍機の撃墜を受け、ロシアとアメリカが偶発的な軍事衝突を避けるために結んだ覚書を6月19日以降、無効にすると発表した。ロシアの説明によると、シリア軍機はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の部隊を攻撃していたのだが、アメリカ側の攻撃は事前の警告もなく行われた。ダーイッシュはラッカからデリゾールへ向かおうとしていた可能性がある
2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュに対する空爆を始めた翌月、10月20日に署名されているのだが、今年4月7日にアメリカ軍がシリアの軍事施設を巡航ミサイル(トマホーク)59発で攻撃した直後、ロシア政府はこの覚書の無効を宣言している。この時はアメリカ側の要請で覚書を復活させたが、今回の決定が翻る可能性は小さい。 サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする武装勢力への支援に反対していたマイケル・フリンはドナルド・トランプ政権で国家安全保障補佐官に就任したが、有力メディアの反フリン・キャンペーンもあって2月13日に辞任、その後任になったH. R. マクマスターはデビッド・ペトレイアスの子分として知られるネオコンで、ユーフラテス川の周辺へ数万人とも15万人とも言われる規模の軍隊を送り込むというプランを持っていた。シリアの北部を奪い取り、クルドの国という形で支配しようと考えたのだろう。 アメリカはフィリピンを不安定化させて政権を揺さぶるため、アメリカの海兵隊や特殊部隊が派遣しているミンダナオ島でダーイッシュ系の武装集団が活動することを許してきた。その島のマラウィ市をマウテ・グループやアブ・サヤフ、つまりダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)とつながる武装集団が5月23日に制圧、ロドリゴ・ドゥテルテ政権は同島に戒厳令を敷く。その日、ドゥテルテはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と両国の関係を強めるための話し合いをしていた。 制圧した勢力は当初の推計より多い500名ほどで、チェチェン、サウジアラビア、イエメンなど外国人戦闘員も少なくないとも伝えられている。マラウィ市が制圧された直後にアメリカの特殊部隊が派遣されたが、ドゥテルテ政権の要請ではないという。傭兵部隊を暴れさせ、それを口実に軍隊を入れて占領するというアメリカの常套手段のようにも見える。 中東と東南アジア、アジア大陸の西と東でアメリカは力業を使おうとしているようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.06.20 00:00:28
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