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《櫻井ジャーナル》

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2017.07.16
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サウジアラビアはモスクの建設などによって、ヨーロッパに「過激主義」を広めているとウィリアム・パティーというイギリスの外交官は語った。勿論、モスク自体が危険なわけではない。モスクを拠点にして活動する人々が危険なのである。

パティーはスーダン、イラク、サウジアラビア、アフガニスタンの大使を務め、イスラムの事情には精通しているはず。スーダン、イラク、アフガニスタンはアメリカのネオコンが2001年秋の段階で侵略予定国のリストに載せられていた。イスラム系の過激派と見なされているのはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だが、ワッハーブ派はサウジアラビアの国教だ。

サウジアラビアが「テロリスト集団」へ直接資金を提供しているとは考えていないとしているが、サウジアラビアが「テロリスト集団」のスポンサーだということは公然の秘密。アメリカでは軍の元幹部や元副大統領なども「アメリカの友好国」という表現で認めている。この「テロリスト」を雇っている現在のサウジアラビア国王や皇太子はイスラエルやネオコンの強い影響下にある。

デイビッド・キャメロン政権はジハード集団、つまりサラフィ主義者やムスリム同胞団などに対する外国勢力の支援についての調査を承認したが、テレサ・メイ政権はその報告書を公表しない可能性が出てきた。報告書にはサウジアラビアやカタールといったペルシャ湾岸の産油国の名前が出ていることは間違いなく、それが報告書を封印する理由ではないかと見られている。

サウジアラビアが傭兵を雇い、アメリカが武器/兵器を提供して戦闘員を訓練、イスラエルが工作に協力するという構図は1970年代の終盤、アフガニスタンへソ連軍を誘い込むというズビグネフ・ブレジンスキーの戦略が作成された当時から続いている。

この当時、戦闘員をリクルートしていたのがオサマ・ビン・ラディンであり、ロビン・クック元英外相によると、CIAがアフガニスタンで訓練したムジャヒディン(聖戦士)のコンピュータ・ファイルがアル・カイダ。ちなみにアル・カイダとは「ベース」を意味、データベースの意味でも使われる。

1970年代から80年代にかけてアメリカ政府はこうした戦闘集団を「自由の戦士」と呼んでいたが、2001年9月11日以降は「テロリスト」の象徴になった。2003年にはアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃、その国土を破壊し、100万人とも言われる人々を殺している。そのとき、前面に出ていたのは正規軍や特殊部隊のほか、傭兵会社の戦闘員だった。

その方法が修正されたのは2011年。「独裁者に対する民衆の蜂起」というシナリオでリビアやシリアで侵略戦争が始まったのだ。そうした「民衆の蜂起」が起こるような状況にはなく、民衆役を演じたのが外国から送り込まれた傭兵、つまりアル・カイダ系武装集団だった。リビアではこうした集団をNATOが空爆で支援、ムアンマ・アル・カダフィ政権を倒すことに成功、今は暴力が支配する破綻国家になっている。この侵略の黒幕は、アメリカ、サウジアラビア、イスラエル、さらにイギリス、フランス、トルコ、カタールといった国々だ。

シリアでもアル・カイダ系武装集団、そこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)による侵略戦争が展開され、アメリカ主導軍の支援もあってジハード集団は勢力を拡大、ダマスカス陥落の可能性も高まっていた。そうした流れを一気に断ち切り、侵略軍を壊滅寸前まで追い込んだのがロシア軍。自分たちの手先が総崩れになるのを見て、今ではクルド軍を支援するだけでなく、アメリカ軍もシリアへ侵攻させ、基地を建設している。

その一方、アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどの支援を受けてきた戦闘集団の中枢にはカルトの信者がいる。1970年代終盤、サウジアラビア王室も手を焼く存在だった。そうした集団をアフガニスタンへ送り出した理由のひとつは、彼らを国外へ追い出す意味もあった。そうした人々がヨーロッパへ入り、ネットワークを作りつつある。しかも、そうした人々を各国の情報機関が守ってきた。コントロールできると考えたのだろうが、いつ暴走を始めても不思議ではない。アメリカはそれも計算済みかもしれない。ネオコンにとってEUも警戒すべき潜在的ライバルなのである。





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最終更新日  2017.07.16 05:34:42



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