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《櫻井ジャーナル》

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2017.07.22
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ポール・セルバ統合参謀本部副議長は7月18日、ウクライナのキエフ政権へ武器/兵器を供給するかどうかを決める必要があると語った。3月にカーチス・スカパロッティ米欧州軍司令官も殺人兵器を渡すことを考えるべきだと語っている。スカパロッティの前任者であるフィリップ・ブリードラブはネオコン/シオニストと強く結びつき、軍事的な緊張を高めるために偽情報を発信していた。その考え方をスカパロティは引き継いだようだ。

セルバやブリードラブが支援するキエフ政権は2014年2月23日にクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を倒して成立している。勿論、憲法の規定に違反した行為だ。そのクーデターの最前線で活動していたのがアメリカ/NATOの支援を受けたネオ・ナチ。そのクーデター政権を拒否したのがヤヌコビッチの支持基盤だった南部や東部の住民だった。

クリミアは動きが速かったこともあり、戦乱で破壊されることは免れたが、東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)は破壊と殺戮の対象になる。2014年5月2日には、南部の港湾都市オデッサで反クーデター派の住民がネオ・ナチのグループに虐殺されるということもあった。キエフ政権からの離脱を明確にするため、そのドンバスを独立させるとドネツクを率いているアレクサンドル・ザハルチェンコは宣言している。

クーデターでEUとロシアの分断をある程度は実現したが、それが一因になってロシアは中国との関係を緊密化、今では戦略的パートナーだと宣言、バルト海で両国が合同艦隊演習を行うまでになった。現在のアメリカには中長期の戦略を立てる能力が欠落、中東でもアメリカの支配基盤はイスラエルとサウジアラビアに振り回され、崩れ始めている。

中東や北アフリカを戦争で破壊、多くの人々を殺してきたのはイスラエルやサウジアラビアと密接に結びついているネオコン。ウクライナに破壊と殺戮を持ち込んだのもネオコンだ。ウクライナの体制転覆ではビクトリア・ヌランド米国務次官補が中心的存在。2014年2月上旬、つまり政権転覆の少し前、ヌランドがジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使と電話で相談している音声がインターネット上にアップロードされた。

話の内容はウクライナの「次期政権」の閣僚人事で、ヌランドはアルセニー・ヤツェニュクを高く評価、実際、クーデター後、首相に選ばれた。クーデター前、EUは混乱を終息させるため、ヤヌコビッチと話し合いを進めていた。その姿勢に激怒したのがヌランドで、「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と言う発言につながる。彼女は暴力的にヤヌコビッチを排除すべきだと考えていたわけだ。つまり、「EUなんかくそくらえ発言」を品の問題にして論じるのは正しくない。おそらく、アメリカが暴力を志向している事実から人々の目をそらさせようとしていたのだろう。

アメリカ/NATOの好戦的な姿勢はウクライナに留まらない。ロシアを屈服させるため、核戦争も辞さないという態度だ。そうした好戦派の中にセルバ、スカパロッティ、ブリードラブといった軍人も含まれている。ロシアとの国境近くへのミサイル配備、電子戦用の航空機を国境近くへ飛ばしてロシア側の防空の穴を見つける動きもロシアを挑発、あるいは恫喝する意味があるだろう。

それに対し、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はアメリカをロシアに対する脅威だとする新しい海軍の戦略を承認した。アメリカは物事を話し合いで解決できる国ではないことに気づいたのかもしれない。シリアなどでロシア製兵器の性能を見せつけているのはアメリカに対する牽制だろう。

そうした中、チェチェンの指導者、ラムザン・カディロフはロシアの「最終装置」が稼働していると語った。これは1980年代にソ連が建設した防御戦システムを指していると見られているが、これはモスクワが核攻撃されたと装置が判断した場合、自動的に全ての核ミサイルが発射されるというもの。アメリカでも似たシステムが開発されていたが、機械が判断ミスする危険性が指摘されている。アメリカは一気にロシアの核兵器を無力化できると考えているかもしれないが、富裕層はすでに超豪華なシェルターを建設している。





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最終更新日  2017.07.22 17:21:42



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