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《櫻井ジャーナル》

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2017.08.01
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朝鮮のミサイル発射実験はTHAAD(終末高高度地域防衛)の韓国への配備を促進する役割を果たしているようだが、本ブログで再三指摘しているように、このシステムは中国が主なターゲットで、攻撃的な兵器として利用可能。日本が導入する地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」についても同じことが言える。

ミサイル発射後、それを口実にしてアメリカは2機のB-1爆撃機をグアムから朝鮮半島へ飛ばしたが、途中、日本と韓国の戦闘機が合流している。日本は海でもアメリカ軍に従い、インドと同じように軍事演習「マラバル」に参加した。日本はアメリカの侵略軍に加わったようだ。

東アジアにおけるアメリカのターゲットは中国である。これはアヘン戦争からの一貫した戦略だ。軍事侵略を狙うだけでなく、「友好」という形で内部へネットワークを張り巡らせと乗っ取ろうともしてきた。その戦略がネオコンなど好戦派の行動によって崩れつつある。中国なしに経済が成り立たなくなっている日本では、宗主国であるアメリカと中国が今でも強く結びついていると妄想したいだろうが、そうした状況ではなくなっている。生産を依存している中国との間で軍事的な緊張を高めるという無謀なことをしているのがネオコンだ。ロシアと核戦争しようという連中なので、驚きではないが。

その中国は7月の下旬、艦船をバルト海へ派遣してロシア海軍と合同演習を実施した。すでに中国はシリア沖へ軍艦を派遣してロシアに協力しているが、その関係が強まっている。中東ではアメリカの影響力が低下、逆に中露が存在感を増している。その中露へEUも軸足を移動させつつある。

アメリカは巨大資本という私的な権力が公的な権力を支配することで国の基盤が崩れている。経済力も外交力も衰退、それを軍事力で挽回しようとしているのだが、それも失敗した。このまま進めば核戦争を始めることになりかねない。

アメリカは核兵器を手にして以来、この兵器を使いたがっている。1957年にはアメリカ軍の内部でソ連に対する先制核攻撃を準備しはじめ、この年の初頭にはソ連への核攻撃を想定した「ドロップショット作戦」を作成している。それによると、300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、1960年10月から62年9月まで統合参謀本部の議長を務めたリーマン・レムニッツァーやSAC(戦略空軍総司令部)司令官だったカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定だったという。その計画を実行する上で最大の障害だと見られていたジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺され、その直後にCIAは暗殺の背後にキューバやソ連が存在するという宣伝を行ったが、思惑通りには進まなかった。

CFR/外交問題評議会が発行しているフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張されている。アメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると見通していた。

その後、ロシアは自分たちの戦闘能力が高いことをシリアなどで示し、アメリカの好戦派を牽制してきたが、それでもアメリカは軍事力を使わざるをえない。ドルが基軸通貨から陥落するのは時間の問題であり、そうなるとドルを支えてきた投機市場の崩壊も不可避。「唯一の超大国」という夢想をやめるか、軍事力に頼るしかないが、まだアメリカの支配層は軍事力に頼ろうとしている。そのアメリカに付き従って自らも戦争への道を進んでいるのが日本だ。





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最終更新日  2017.08.01 04:20:40



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