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《櫻井ジャーナル》

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2018.03.04
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東京電力の福島第一原発で炉心が溶融するという大事故が発生したのは2011年3月11日のことだった。それから7年が経過しようとしている。1号機から3号機までは炉心が溶融し、12日には1号機で爆発があり、14日には3号機も爆発している。前者は水素爆発だと見られているが、3号機のそれは1号機とは異質の強烈なもので、核反応(核暴走)が起こったという見方もある。

15日には2号機で「異音」、また4号機の建屋で大きな爆発音があったとされ、4号機は稼働していなかったことになっているものの、使用済み核燃料プールの中には1500本を超す燃料棒が入っていて、この原発全体では1万本を超していたとされている。このプールが倒壊した場合、放出される放射性物質で近くの福島第2原発や女川原発へも影響が及ぶ可能性があった。

東電は2号機の下に少なくとも1平方メートルの穴があり、そこで毎時530シーベルト(53万ミリシーベルト)を記録したと発表している。チェルノブイリ原発で記録された最大の数値は300シーベルトだと言われ、それを大きく上回るわけだ。ちなみに、7~8シーベルトで大半の人が死亡すると言われ、勿論、人間が近づける状況ではない。1号機と3号機の状態は2号機より悪いはずで、溶融した燃料棒を含むデブリが地中へ潜り込み、それを地下水が冷却、高濃度汚染水が太平洋へ流れ出ていると考えるべきだろう。

こうした爆発が原因で建屋の外で燃料棒の破片が見つかったと報道されているが、2011年7月28日に開かれたNRCの会合で、新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は、​発見された破片が炉心にあった燃料棒のものだと推測​している。

NRCが会議を行った直後、8月1日に東京電力は1、2号機建屋西側の排気筒下部にある配管の付近で1万ミリシーベルト以上(つまり実際の数値は不明)の放射線量を計測したと発表、2日には1号機建屋2階の空調機室で5000ミリシーベル以上を計測したことを明らかにしている。この排気筒を通って燃料棒の破片が飛び散ったという日本側のメッセージだったのかもしれない。

衆議院議員だった徳田毅は事故の翌月、4月17日付けの「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:

「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」

言うまでもなく、徳田毅は医療法人の徳洲会を創設した徳田虎雄の息子で、医療関係差には人脈があり、これは内部情報。これだけ被曝して人体に影響がないはずはない。政府も東電、おそらくマスコミもこうした情報を持っていたはず。

その徳田毅は2013年2月に国土交通大臣政務官を辞任、11月には姉など徳洲会グループ幹部6人を東京地検特捜部が公職選挙法違反事件で逮捕、徳洲会東京本部や親族のマンションなどを家宅捜索した。徳田は自民党へ離党届を提出、14年2月に議員を辞職している。この出来事と福島第一原発の被害状況に触れたブログとの間に関係があるかどうかは不明だ。

また、事故当時に​双葉町の町長だった井戸川克隆​によると、心臓発作で死んだ多くの人を彼は知っているという。セシウムは筋肉に集まるようだが、心臓は筋肉の塊。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしている。

ロシア科学アカデミー評議員のアレクセイ・V・ヤブロコフたちのグループがまとめた報告書『​チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する重大な影響​』(​日本語版​)によると、1986年から2004年の期間に、事故が原因で死亡、あるいは生まれられなかった胎児は98万5000人に達する。癌や先天異常だけでなく、心臓病の急増や免疫力の低下が報告されている。このチェルノブイリ原発事故より福島第一原発の事故は深刻だという事実から目を背けてはならない。

2011年の事故は奇跡的な幸運が重なっている。事故直後の風が太平洋に向かっていたこと、定期点検中の4号機で炉内の大型構造物の取り替え工事でミスがあって使用済み核燃料プールの水がなくならなずにすんだこと、福島第二、女川、東海第二は紙一重のところで冷却不能、メルトダウンを何とか避けることができたことなどだ。






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最終更新日  2018.03.04 14:38:45



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