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ブラジルの検察官や政府高官の携帯電話盗聴でジャーナリストのグレン・グリーンウォルドが共謀したと同国の検察当局は主張している。ハッキング・グループをけしかけ、助けたいうのだ。それをグリーンウォルドは否定している。 盗聴の内容はグリーンウォルドを含むジャーナリストが昨年6月にインターネット・メディアのインターセプトで明らかにされた。アメリカの巨大資本にとって好ましくないルイス・シルバを失脚させ、刑務所に監禁するために裁判官と検察官が共謀していたのだ。 最初の裁判を担当したセルジオ・モロ判事は捜査が始まった直後から検察側の責任者だったデルタン・ダラニョールに裁判や投獄に関するアドバイスや指示をしていた。この捜査はバラク・オバマ政権の司法省が支援していたと言われている。 2018年10月にブラジルでは総選挙があったのだが、その年の1月に連邦裁判所がルーラに対して禁錮12年余りの判決を言い渡したことから立候補はできなくなった。検察側もルーラに犯罪行為があったと確信できなかったが、立候補を阻止するため、強引に捜査を進めていたことも報道で判明した。 選挙の結果、大統領に選ばれたのは軍事政権時代に拷問を行っていたカルロス・アルベルト・ブリリャンテ・ウストラを公然と支持していたジャイ・ボウソナル下院議員。ボウソナル政権は今年1月に始まるが、司法大臣に選ばれたのはモロだ。ボウソナルがグリーンウォルドを攻撃している理由はここにある。 ルーラの同志で大統領だったジルマ・ルセフも2016年5月に停職となり、8月に大統領の座から引きずり下ろされている。替わって大統領に就任したミシェル・テメルはアメリカ巨大資本の手先として知られ、彼を含むクーデター派の中心グループは犯罪捜査の対象になっていた人物。そのテメルは今年3月に逮捕されたが、新自由主義の体制は維持されている。 インターセプトが2016年9月に公表した映像によると、新自由主義に基づく政策、つまり私有化や規制緩和によって富をアメリカやブラジルの富裕層や巨大資本へ集中させようという計画を進めなかったルセフをアメリカ支配層は懲罰するとテメルは語っている。 このテメルは汚職容疑で2019年3月に逮捕された。テメルの同志としてアメリカの巨大資本の手先として働いてきたエドアルド・クニャ下院議長はスイスの秘密口座に数百万ドルを隠していることが発覚している。 まだ刑務所にいたシルバにジャーナリストのぺぺ・エスコバルがインタビュー、シルバはブラジルをドル依存から離脱させるつもりだったと語っている。その考えを彼がオバマ大統領に伝えたところ、アメリカ側は激しく反応し、ブラジルの政府や主要企業に対するNSAの監視が厳しくなったという。 アメリカの支配層が隠しておきたい事実をグリーンウォルドは明らかにしたわけだが、その点はウィキリークスのジュリアン・アッサンジと同じ。そのアッサンジをアメリカの司法当局が2011年初めに起訴しているとする話は民間情報会社ストラトフォー内でやりとりされた電子メールの中に記載されている。この話はケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書の中にも記載されている。 そのアッサンジをエクアドル政府は2012年6月に政治亡命者と認め、ロンドンのエクアドル大使館で保護するのだが、アメリカ政府の意向でイギリスの警察がアッサンジの拘束を狙っていることから軟禁状態になった。 状況が変化したのは2017年5月。エクアドルの大統領がラファエル・コレアからレニン・モレノへ交代したのだ。そのモレノ政権に対してIMFは2019年3月、エクアドルに対する42億ドルの融資を認めると発表した。その代償としてアッサンジを引き渡すということだ。 そして4月11日にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込んでアッサンジを逮捕する。アッサンジの弁護団メンバーによると、すでに取り下げられている事件で出頭しなかったことではなく、アメリカからの引き渡し要請に基づくものだという。 アッサンジはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束された。そこでアメリカの国防総省、FBI、CIAに所属している人びとの尋問を受けているようだが、その際にBZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されているとも伝えられた。それだけでなく外部との接触が厳しく規制され、弁護チームも監視下で会うことが要求されているという。食べ物の差し入れや基本的な医療行為も拒否されているようだ。 アメリカやその配下の国々の支配層は自分たちが大多数の庶民から監視されることを極度に恐れている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.01.23 16:42:38
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