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ドニエプル川沿いにあるクレメンチュクにある工場をロシア軍がミサイル2機で攻撃した。ウォロディミル・ゼレンスキー政権はショッピング・モールが狙われたと発表しているが、明らかになった事実から判断して、その主張は正しくない。ロシア軍によると、兵器庫を狙ったとしている。その攻撃で火災が起こり、モールへ延焼したようだが、その時にモールの駐車場には自動車がほとんどないことから、人も少なかったか、いなかったとみられている。
何が保管されていたか不明だが、西側は高性能兵器をウクライナへ供給している。中でも注目されているのはアメリカのHIMARS(高機動ロケット砲システム)とイギリスのM270 MLRS(M270多連装ロケットシステム)だ。米英国はそれぞれの射程距離を約80キロメートルだとしているが、最大射程距離は約300キロメートルに達するという。 現在、キエフ軍は西側から供給されたカエサル155mm自走榴弾砲、HIMARS、M270 MLRSを含む兵器でドンバス(ドネツクとルガンスク)の居住地区を攻撃しているが、兵器庫だけでなく攻撃拠点も非戦闘員が住む地区、建造物に設置しているようだ。 すでにロシア軍はドンバスの大半を制圧、親衛隊の人質になっていた市民を救出、その市民は異口同音に親衛隊の残虐さを告発している。市民の避難場所に入り込み、脱出しようとする市民や兵士を親衛隊員が銃撃、殺傷していると語っている。略奪やレイプの事実も明らかにされてきた。 親衛隊の中核部隊であるアゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)が拠点にしていたマリウポリでは、産婦人科病院が3月9日に破壊された。西側の有力メディアはロシア軍が空から攻撃したと宣伝していたが、脱出した市民はその「報道」を否定している。 そのひとりは西側で反ロシア宣伝のアイコン的に使われたマリアナ・ビシェイエルスカヤ。彼女は3月6日に市内で最も近代的な産婦人科病院へ入院したが、間もなくウクライナ軍が病院を占拠、患者やスタッフは追い出されてしまう。彼女は近くの小さな産院へ移動させられた。最初の病院には大きな太陽パネルが設置され、電気を使うことができた。 そして9日に大きな爆発が2度あり、爆風で彼女も怪我をする。2度目の爆発があった後、地下室へ避難するが、その時にヘルメットを被った兵士のような人物が近づいてきた。のちにAPの記者だとわかる。記者は彼女に密着して撮影を始め、彼女は「何が起こったのかわからない」ものの、「空爆はなかった」と話したという。ところが記者は彼女の発言を自分に都合よく「編集」し、ロシア批判に使われた。 病院への攻撃についてはオンライン新聞の「レンタ・ル」もマリウポリから脱出した別の人物から同じ証言を得ている。その記事が掲載されたのは現地時間で3月8日午前0時1分。マリウポリからの避難民を取材したのだが、その避難民によると、2月28日に制服を着た兵士が問題の産婦人科病院へやってきて占拠、病院のスタッフを追い払って銃撃ポイントを作ったとしている。 ドイツの有力誌「シュピーゲル」はマリウポリのアゾフスタル製鉄所から脱出した住民のひとり、ナタリア・ウスマノバの証言を3分間の映像付きで5月2日に伝えたが、すぐに削除する。西側が展開していた宣伝を否定する内容だったからだ。彼女も親衛隊の残虐な行為を告発したうえ、ロシアへ避難すると宣言、戻る場所はドネツクしかないと語っていた。(インタビューのロイター版と削除部分の映像:ココ) その前から、脱出した市民はアゾフ大隊の残虐行為を証言、映像をツイッターに載せていた人もいた。その人のアカウントをツイッターは削除したが、一部の映像はインターネット上に残っている。 その後も脱出した市民の声が伝えられている。現地で取材していいる記者がいるからで、ドイツ人ジャーナリストのアリナ・リップ、フランス人ジャーナリストのアン-ローレ・ボンネル、カナダ人ジャーナリストのエバ・バートレットが有名だが、フランスの有力メディアTF1やRFIのスタッフ、またロシアやイタリア人の記者もいたという。こうした人びとによって事実が伝えられ始めるにつれ、情報統制が強化されている。 ウクライナを舞台にした戦闘は2013年11月から14年2月にかけてのクーデターから始まる。実行部隊はネオ・ナチだが、そのネオ・ナチを動かしていたのアメリカのバラク・オバマ政権。そのクーデターを現場で指揮していたのは国務次官補だったビクトリア・ヌランドであり、ホワイトハウスで統括していたのはジョー・バイデン副大統領だと言われている。 クーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領が排除される1カ月ほど前、ヌランドは電話でジェオフリー・パイアット米国大使に対して新体制の閣僚人事について指示している。その際、話し合いで混乱を解決しようとしていたEUに腹を立てた彼女は「クソくらえ」と口にした。単に下品だというだけの話ではない。クーデター後の政権はアメリカの傀儡だということだ。 ゼレンスキーは選挙期間中、腐敗の根絶、進歩、文明化、そしてドンバスとの和平実現といった公約を掲げていた。ロシアに対する敵対的な政策を国民の多くは拒否していたのだが、その公約をゼレンスキーは守らなかった。 ロシア軍の攻撃が始まった後、ウクライナ政府にも話し合いで解決しようとする人がいた。そのひとりがボロディミル・ストルクだが、3月1日に誘拐され、拷問された上で射殺されている。3月5日にはロシアと交渉しているチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上で治安機関SBUの隊員に射殺され、3月7日にはゴストメルのユーリ・プライリプコ市長の死体が発見された。ウクライナ全体では11名の市長が行方不明だとも言われている。 現在、ゼレンスキー政権に対して戦争の継続を強要しているのはアメリカのイギリスである。例えば、元NATO欧州連合軍最高司令官(SACEUR)だったフィリップ・ブリードラブ米空軍大将は4月7日に核戦争への恐怖がプーチンに対する適切な対応を西側はとれないのだと発言。その2日後にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフを訪問し、ロシア政府との停戦交渉を止めるように求めたとされている。 今年のG7首脳会談でジョンソン首相は会議の参加者に対し、現時点でウクライナの戦闘を終わらせるべきでないと主張、それは「悪い平和」だと表現した。イギリス政府はロシアを愚弄して戦争へと導き、ヨーロッパの混乱を継続させようとしている。ふたつの世界大戦の前に行ったようなことをイギリスは繰り返している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.06.30 00:00:06
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