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アメリカでは中間選挙の投票が終わり、集計が進んでいる。下院では共和党議員が多数を占める可能性が高いが、上院は改選議席数が少ないこともあり、全体ではどちらが多数を占めるかは微妙だ。 ジョー・バイデン政権に対する有権者の不満は大きいが、共和党は受け皿になれていない。民主党も共和党もスポンサーは同じであり、国際問題に関する政策を決めている勢力は同じ。アメリカは事実上の「一党独裁体制」の国であり、「選挙」は「民主主義」を装う儀式にすぎない。 支配階級に支配されているわけだが、2014年以降、支配階級の内部で対立が生じているようだ。この年の2月にバラク・オバマ政権はウクライナでクーデターを実行、東部と南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ウクライナの東部と南部はソ連時代にロシアからウクライナへ割譲された地域で、住民の多くはロシア語を話し、東方正教会の影響を受けている。ウクライナ語を話し、カトリックの影響を受けている西部とは根本的に違うのだ。 西部に住むヨーロッパ嗜好が強い人びとは2014年2月のネオ・ナチによるクーデターを肯定的に受け止めたかもしれないが、東部や南部に住み、ロシアに親近感を抱く人びとは拒否した。西側の有力メディアは東部や南部のロシア語を話す人びとを「浄化」しようとしてきた。 ロシアとEUの間に位置するウクライナを支配することで両地域を分断してEUを植民地化、同時にロシアからマーケットを奪って弱体化させることがネオコンの目論見だったようだが、裏目に出る。EUの弱体化は進んだが、ロシアは中国に接近、両国は戦略的な同盟関係を結んでしまった。 クーデターを計画した勢力はオバマの次の大統領としてヒラリー・クリントンを考えていたと言われているが、その流れを変える出来事が2016年2月10日にあった。ヘンリー・キッシンジャーがモスクワを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談したのだ。これで流れは変わり、ドナルド・トランプが台頭してくる。 2016年11月の大統領選挙ではトランプが勝利するが、オバマ大統領はトランプが大統領に就任する直前の2016年12月、ロシアとの関係を悪化させるため、外交官35名を含むロシア人96名を追放して軍事的な緊張を高めようとしていた。その一方、「ロシアゲート」なるスキャンダルをCIAやFBIを使い、でっちあげる。 その後、オバマやクリントンを担いだネオコンは巻き返し、2020年の大統領選挙でトランプを落とし、バイデンを大統領に据えた。バイデン政権は経済戦争を仕掛け、軍事的な挑発をくり返いしたが、それだけでなくロシアと戦争する準備を進めた。これについては本ブログでも指摘した。そして今年2月のロシア軍による軍事作戦開始につながる。 この作戦はロシア軍の内部でも不満が出るほど小規模な部隊によるものだったが、4月に入るとウクライナの軍や親衛隊が敗北することは明らかになった。そこでボリス・ジョンソン英首相がキエフを秘密裏に訪問して停戦交渉を止めさせ、アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官やロイド・オースチン国防長官がキエフを極秘訪問してウォロディミル・ゼレンスキ大統領と3時間ほど会談、ナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めるといったことを行なっている。それ以降、NATOがロシア軍との戦闘で前に出てきた。 現在、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は部分的な動員を実施すると9月21日に発表、約40万人を集めたという。すでに8万人が戦闘地域へ入り、そのうち5万人は戦闘に参加、残りの約32万人は軍事訓練を受けているという。 冬になって地面が凍結して戦闘車両の走行が容易になるのをロシア軍は待ち、そうした部隊を投入してくると見られている。当然、そうなるとNATO軍は厳しい状況に置かれてしまうので、その前に何とかしたいだろう。 中間選挙後に西側の経済状況は悪化することが予想されるが、それを誤魔化すためにもネオコンは「第3次世界大戦」へ突き進む可能性があるが、そうした動きにブレーキをかける勢力もアメリカの支配層内部に存在している。そのブレーキを外すために「汚い爆弾」を使う、あるいはダムを破壊するのではないかと懸念する人もいる。ロシア軍はそうした事態を想定して動いているようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.11.10 01:47:58
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