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アメリカ/NATOがウクライナへ供給した武器弾薬の約20%は「反転攻勢」が始まった最初の2週間でロシア軍によって破壊されたとニューヨーク・タイムズ紙が伝えている。西側のプロパガンダ紙ですら、「反転攻勢」の惨状を否定できないのだろう。ウクライナ兵はアメリカ/NATOの命令でロシア軍が築いた防衛線に突入させられ、死傷した兵士は約2万6000名、破壊された戦闘車両は3000両とも言われている。 レオパルド2R地雷除去車が先導する形でウクライナ軍の戦車部隊は地雷原を突破しようと試みたが、「反転攻勢」を始めてから1、2時間のうちに、M2ブラッドレー歩兵戦闘車のほぼ5分の1、レオパルド2A6戦車の5分の1、レオパルト2R装甲工兵車の半分を失ったという。 アメリカ/NATOはアメリカのM1エイブラムス、イギリスのチャレンジャー2、ドイツのレオパルト2といった戦車のほか、「HIMARS(高機動ロケット砲システム)」や長距離巡航ミサイル「ストーム・シャドー」を供給しているが、ウクライナのアレクセイ・レズニコフ国防相はHIMARS多連装ロケットランチャー用の弾薬を含むGPS誘導砲弾を妨害する方法をロシア軍は知っているとしている。西側の兵器が優秀だという話は幻影にすぎなかった。 ウクライナ軍がロシア軍に圧倒され、アメリカ/NATOの武器庫は空になったようで、日本にもTNT爆薬を供給してほしいと頼み込んでいる。韓国の尹錫悦大統領はリトアニアとポーランドを訪問した後、7月15日にウクライナを予告なしに訪れ、ウクライナに対する軍事支援の「規模拡大」を宣言した。イギリス政府やアメリカ政府はウクライナへ劣化ウラン弾やクラスター爆弾を提供しているが、こうした問題の大きい兵器を提供しているのは、それしか武器庫に残っていないからだという見方もある。 昨年2月24日にロシア軍がドンバス(ドネツクやルガンスク)で軍事作戦を開始した直後、キエフのクーデター軍と戦うドンバス側の部隊は現地軍、チェチェン軍、あるいはワグナー・グループで、ロシアの正規軍は多くなかった。戦力を比較するとドンバス側はキエフ側の数分の1だったと言われている。西側でもクレムリンのやり方に疑問を持つ人がいたが、それでもドンバス側が優勢で、キエフ側の主力だったネオ・ナチの親衛隊は軍事拠点を住宅地に築き、住民を人質にとっていた。ロシア政府内にいるエリツィン派の思惑を現場の将兵が吹き飛ばしてしまったのかもしれない。 ウクライナ政府はロシア政府と停戦交渉を開始。停戦交渉を仲介したひとりはイスラエルの首相だったナフタリ・ベネット。彼によると、話し合いで双方は妥協に応じ、停戦は実現しそうだった。 3月5日にベネットはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけ、その足でベネットはドイツへ向かってオラフ・シュルツ首相と会っている。ゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフがウクライナの治安機関SBUのメンバーに射殺されたのはその3月5日だ。 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と6月17日に会談しているが、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。 停戦交渉の進展でロシア軍はウクライナ政府との約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了した。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていないが、その後、西側の有力メディアはロシア軍が住民を虐殺したとする宣伝を開始、停戦交渉を壊した。実際に住民を殺したのはウクライナ内務省の親衛隊だったと見られている。ロシアに寛容だと判断させた人びとが殺されている。 4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。 ウクライナで窮地に陥っているアメリカ/NATOは東アジアの軍事的な緊張を高め、あわよくば戦争を始めたいと考えているようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.18 00:25:47
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