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《櫻井ジャーナル》

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2023.07.19
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 東京電力福島第一原発は2011年3月11日、東北地方の太平洋沖で発生したマグニチュード9.0という大規模な地震が原因で炉心が溶融する大事故が引き起こされ、今でも大量の汚染水が発生し続けている。そこで日本政府は2021年4月13日に汚染水を太平洋へ放出する方針を決定、その計画をIAEA(国際原子力機関)は承認した。「水に流す」ということだ。共同体内での揉め事を「水に流す」のは生活の知恵だろうが、放射性物質に汚染された水を海へ流す行為は犯罪的である。

 放出する汚染水は「ALPS(多核種除去設備)」によって「トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵」しているものだとされている。

 トリチウム、つまり三重水素が残っていること自体が大きな問題だが、ALPSは炭素14を取り除けず、処理した汚染水の8割以上に基準を超える放射性物質が残っているとも指摘されている。炭素14はDNAを損傷させ、突然変異を誘発する可能性があるともいう。

 日本政府は危険性が明確になり、人類の存続すら危うくすると懸念されている遺伝子操作薬、いわゆる「COVID-19ワクチン」の接種を推進している。正気ではない。正気ではない政府が汚染水を海へ流しても不思議ではないが、中国や韓国などの国々から抗議されるのは当然だろう。

 放射能汚染水だけでなく、歴史も日本政府は水に流そうとしてきた。イギリスの支援を受けて長州や薩摩を中心とする勢力は徳川体制を倒し明治体制を樹立、米英に煽られて東アジア侵略に乗り出した。侵略、破壊、殺戮、略奪を繰り広げたのだが、それをなかったことにしたがっている人びとがいる。「水に流せ」というわけだが、こうした行為は事実であり、加害者である日本側から求めることはできない。「反日教育」という呪文を何度唱えても事実は消えないのだ。

 原発の汚染水はデブリ(溶融した炉心を含む塊)に触れた水だ。デブリがどうなっているか正確には不明だが、格納容器の床に落下、コンクリートを溶かし、さらに下のコンクリート床面へ落ちた可能性もある。さらに一部が地中へ潜り込み、地下水で冷却されているとも考えられるだろう。

 ​イギリスのタイムズ紙は​福島第一原発を廃炉するまでに必要な時間を200年だと推定したが、数百年は必要だろうと考える人が少なくない。数百年間は放射性物質を含む水を太平洋へ流し続けるということだ。

 福島第一原発から放出された放射性物質の総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表されているが、その算出方法に問題がある。

 計算の前提では、圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっているが、この事故では水が沸騰していたはずなので、放射性物質の除去は無理。トーラスへの爆発的な噴出で除去できないとする指摘もある。そもそも格納容器も破壊されていた。

 原発の元技術者、アーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2~5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)が、10倍程度だと考えても非常識とは言えない。

 放出された放射性物質が住民の上に降り注いでいたことを示す証言もある。例えば医療法人の徳洲会を創設した徳田虎雄の息子で衆議院議員だった徳田毅は事故の翌月、2011年4月17日に自身の「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:

 「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」

 12日の午後2時半頃にベント(排気)した、つまり炉心内の放射性物質を環境中へ放出したとされているが、双葉町ではベント前に放射線量が上昇していたと伝えられている。そして午後3時36分に爆発。

 建屋の外で燃料棒の破片が見つかるのだが、この破片についてNRC(原子力規制委員会)新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は2011年7月28日に開かれた会合で、発見された破片は炉心にあった燃料棒のものだと推測できるとしている。マンチェスター大学や九州大学の科学者を含むチームは原子炉内から放出された粒子の中からウラニウムや他の放射性物質を検出した。













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最終更新日  2023.07.19 00:01:22



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