27439202 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2024.03.26
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 4月19日午後7時から駒込の「東京琉球館」において「米国の世界制覇計画が挫折し、広がる混乱」というテーマで「櫻井ジャーナルトーク」を開きます。予約受付は4月1日午前9時からとのことですので、興味のある方は東京琉球館までEメールで連絡してください。

東京琉球館

住所:東京都豊島区駒込2-17-8

Eメール:dotouch2009@ybb.ne.jp

 1990年代以降、シオニストの一派、いわゆるネオコンがアメリカの外交や安全保障政策を主導してきた。1991年12月にソ連が消滅すると彼らはアメリカが「唯一の超大国」になったと考え、ポール・ウォルフォウィッツが中心になって世界制覇計画を作成しました。

 日本の場合、「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」が発表された1995年からその計画に組み込まれているのですが、その前年から衝撃的な出来事が立て続けに引き起こされています。つまり、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)、その10日後には警察庁の國松孝次長官が狙撃されている。8月には日本航空123便の墜落に関する記事がアメリカ軍の準機関紙とみなされているスターズ・アンド・ストライプ紙に掲載されたのですが、その中で自衛隊が関与していることを示唆されています。「戦争する国にするな」と主張したいなら、1990年代前半に行動しなければならなかったわけです。

 ネオコンがNATOを利用してユーゴスラビアに対する侵略攻撃を始めたのは1999年3月のこと。その2年後の9月11日にはニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、ネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュ政権は2003年3月にアメリカ主導軍でイラクを先制攻撃、中東全域に戦乱を広げていきます。

 そして2008年8月、北京オリンピックの開幕に合わせてジョージア軍は南オセチアを奇襲攻撃しました。奇襲攻撃の約8時間前、ジョージアのミヘイル・サーカシビリ大統領はロシアとの関係強化を求める南オセチアの分離独立派に対話を訴えていました。

 ジョージア軍はロシアとの戦争に備え、2001年からイスラエル軍の将校(予備役)2名と数百名の元兵士が教官として受け入れていましたが、訓練だけでなく、ドローン、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどの提供をイスラエルから受けています(Tony Karon, “What Israel Lost in the Georgia War”, TIME, August 21, 2008)が、それだけでなくNATOの新加盟国が小火器を、ウクライナが重火器と対航空システムを提供しているとも伝えられていました。(Jerusalem Post, August 19, 2008 / Ynet, November 5, 2009)

 アメリカの場合、傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を2008年1月から4月にかけてジョージアへ派遣していたことが知られていますが、それだけでなく、攻撃の1カ月前、国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪問、奇襲攻撃の直後にもライスはジョージアを訪問してサーカシビリと会談しています。

 ソ連消滅後、アメリカの支配層はロシアや中国を簡単に捻り潰せると考えていたのですが、南オセチアへの奇襲攻撃失敗でその判断が間違いだということが明確になリました。

 ところが、ネオコンは現在に至るまでアメリカの国力を過大評価、ロシアや中国を過小評価、世界制覇計画は実現できるという妄想から抜け出せていないようです。

 2014年にネオコンはウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒しました。クーデター体制は欧米支配層の意向に添い、ロシアとEUの経済的な関係を断ち切り、双方の経済力を弱めようとしたのですが、ロシアは中国と戦略的同盟関係を結びました。ロシア/ソ連と中国を分断するというアメリカの戦略が崩れてしまったのです。

 中国のビジネスとアカデミーを支配しているアメリカは、中国がアメリカから離れることはないと信じていたようですが、ロシアと中国はパイプライン、鉄道、道路、海路などで結びつきを強めています。中国政府はアメリカが自分たちの生存を脅かす戦略を持っていると認識した可能性が高いでしょう。

 ネオコンはその戦略を隠していません。1992年2月にネオコンが作成した世界制覇計画、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」ではドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込み、新たなライバルの出現を防ぐことが謳われています。旧ソ連圏は勿論、西ヨーロッパ、東アジア、東南アジアにアメリカを敵視する勢力が現れることを許さないとしているのです。

 ネオコンの世界制覇計画は米英金融資本が19世紀に建てた長期戦略に基づいて作成されていますが、その長期戦略作成の中心にいたセシル・ローズは1877年6月にフリーメーソンへ入会した後、アングロ・サクソンが最も優秀な人種であり、その優秀な人種が住む地域が増えれば増えるほど人類にとってより良いことであり、大英帝国の繁栄につながるとしています。

 ローズを中心とする支配グループはトーマス・マルサスの『人口論』やチャールズ・ダーウィンの進化論、ダーウィンの従兄弟にあたるフランシス・ゴールトンの優生学の影響を受けていました。そこから、劣等な人種の処分という考え方が出てきます。その危険性を中国政府も認識するようになったのかもしれません。世界制覇計画を主導してきたネオコンだけでなく、そのネオコンに従属してきた人びとは窮地に陥っています。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.03.26 00:00:15



© Rakuten Group, Inc.