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テーマ:韓国!(16972)
カテゴリ:映画
東ティモールで少年にサッカーをおしえる
韓国の元サッカー選手の裸足の夢。 2002年、 眩しい4強とは落差がある元サッカー選手ウォングァン(パク・ヒスン)は 東西の内戦が終わったばかりの東ティモールへ向かった。 コーヒーで一山当てて人生をやり直すためだ。 詐欺に遭いそうになったところを 大使館職員インギ(コ・チャンソク)に助けられ 意気消沈して帰国しようとしたところ 裸足でサッカーに興じる子どもたちの姿が目にとまる。 これだ! サッカーが人気のこの国でone and onlyなサッカー用具店を始めれば 今度こそ一山当てられるかも... なりゆきで少年たちにサッカーをおしえはじめたウォングァンのチームが 広島での世界大会で勝利を勝ち取るまでの葛藤と軌跡を実話に基づいて描く。 『クロッシング』等のキム・テギュン監督作品『裸足の夢/맨발의 꿈/A Barefoot Dream』 最初から最後まで よく言えばラテン系、 悪く言えば無鉄砲なKorean Style、韓国らしいウォングァンの熱~いキャラクターに 引っ張られているかのように突き進む ハリのある展開。 ほんとうに無鉄砲で激しく情熱的なウォングァンが突っ走るそのままに サッカーボールをつま先に引き付けてただただ突っ走るかそのままに 映画もテンポよく進行しているかのよう。 最初は一山当てよう 金儲けしたいし 人生リセットしたい、というウォングァンの人生の翳の部分が見え隠れして 東ティモールの子どもたちに 「一日一ドルでサッカーシューズが君のもの!」と 分割払いでシューズを買い取らせる姿が利己的で (うーーん)という感じだったけれど... 内戦でお互いの親や親戚が殺し合った記憶が生々しい子どもたち、 エースのラモス(Francisco Varela)とモンタビオ(Fernando Pinto)は おなじチームでも親の敵とばかりに一触即発。 そんな子どもたちの心の傷や貧しい生活、 それでも夢にあふれてきらきら輝く瞳に触れて ウォングァンの心はさらに真っ直ぐになっていくようだった。 単純で裏表のないウォングァンだからこそ その感受性、心動かされる姿は純粋で説得力を持つ。 「貧しいからって 夢も貧しく小さくなければいけないのかよ!」という啖呵に共感。 ただ、 子どもたちの姿からは韓国の現代史をなぞるような気も。 ウォングァンの世代は直接知らないにしても 親たちの世代は 例えば朝鮮戦争後の孤児たち、 ユンボギの日記にあるように 駅前で物売りをする子どもたちも つい50~60年前のことだった。 空港の前で観光客に物を売ろうとする東ティモールの子どもたちの姿と重なる。 韓国のドキュメンタリー、ムン・ジョンヒョン監督『ハルメ花』で描かれたように イデオロギー等の対立で 祖父を殺したのが母親の親友の父親だった、というような 解くことのできない恨は ラモスとモンタビオの姿に重なりもする。 韓国の現代史も重なるし ウォングァンの目の前でも起こっていることだし、 もっと普遍的に今も世界のどこかで起こっているかもしれない、という思いにも。 日焼けしたパク・ヒスンが良かった。 これまでは、 色白な時はエンケンっぽい(ちょっと遠藤憲一入った)チョン・ジェヨン!? という感じだったのですが...(失礼!)(≧ω≦*) 今回は感情のおもむくままに 猪突猛進で行動する、 全く裏表のない アホみたいに情熱的な韓国人そのもの、 その韓国パワーのテンションが途切れることなく全編を貫くキャラクターと演技が圧倒的。 はちゃめちゃなのだけれど その一途さ猛烈さに納得し説得させられる。 ウォングァンの純粋さと熱さがとてもエネルギッシュ。 最近の韓国映画は この作品に比べるともっとクールだったりまとまっているから こんな真夏のように破格なパワーの韓国映画は久しぶりかも。 あるいは海外では 本来の韓国人らしさが出てそのくらいパワフルになってしまうのか... 抑えの大使館員インギがいなかったら どうなっていたことか...とハラハラ。 子どもたちのひたむきな演技に、 輝く黒い瞳も愛らしかった。 特に印象的なのが 背が低くてやせっぽちのお兄さんトゥア(Junior Da Costa)をいつも絶賛大プッシュ!な 気の強い妹ジョセフィン(Marlina Simoes)に 妹萌え!(≧∀≦*) お兄さんが小さすぎるから、とサッカーチームに入れないウォングァンに 「あほ韓国人!」と思いっきり捨て台詞する姿、気がつよくてお兄さん思いで愛らしい! きゅんきゅん! サッカー好きな清水圭が東ティモールで知り合うウォングァンの知人、東条として登場。 海外では東アジア人同士集まって いっしょにごはんを作って食べたりもして、というよくある風景だが 日本語英語ちゃんぽんで話すシーンが時々はさまれて 海外ではみんな仲良くしている...と思ったり。 言語学的には 東ティモールの少年チームをおしえる時 ウォングァンがいつも インドネシア語英語韓国語と3つの言語をちゃんぽんで話しているのが興味深い。 熱くなると韓国語で口角泡を飛ばしているのだが... よく子どもたちに通じるなぁ~ でもおもしろい、興味深い。 インドネシアのチアチア族はハングルを使っている ピジン/Pidgin,クレオール/Creole 出演した子どもたちの名前はみなポルトガル風で インドネシアはイスラム教徒が多いけれど 東ティモールはクリスチャンが多く、植民地時代の名残をそこここに感じたりも。 ただ、音楽はティモールらしさをよく取り入れていて 暑く爽やかな島の風のようでとても良かった。 東ティモール総理 クスマオ大統領が特別出演。 映画を通して東ティモールの歴史や現在にとても興味がわいた。 東ティモールに興味を抱かせる、 心をつかんで引っ張る力もある映画、という感慨も。 ウォングァンのモデルとなったキム・シンファン氏は 韓国での映画公開2010年時も東ティモールで少年たちをおしえ続けているとか^^ 余談ですが 映画の中の時間は約10年前だけれど 少年サッカーの世界も 大人といっしょに激しく競り合う、ラフプレーもあると観て知ってびっくり。 約10年前から... 「スラムダンク」などでも三井だったか、 パスを回さない、チームプレーが出来ない選手が描かれていた気がするけれど... サッカーももちろんチームプレーが大切、 ラモスたちのように内戦による心の傷が癒えない少年は パスを回すことができない、回したくないという心理がプレーに影響する、という描写は つよく心に残った。 クルド民族、アラブ民族、トルコ民族、アッシリア民族 がサッカーをする映画『Kickoff』 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察、解説 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用・ 盗用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、 リライト、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Mar 4, 2024 08:04:53 PM
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